合縁奇縁

根がオタクなんです

ファンテーヌに想うこと


ドラマ「レ・ミゼラブル」を見て、いや、ドラマ「レ・ミゼラブル」の“ファンテーヌ”を見て、何とも言えない罪悪感を感じた。
今まで、彼女を見て感じていたもどかしさや悔しさが、全て自分に返ってきたような気がしたから。

まずはファンテーヌの話をする前に、なんてことない、人より少し自己肯定感が低くそのわりには頑固で融通が利かない、典型的に認知が歪んでいる一人のただの女の話をさせてください。

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成人し、社会人となり、何かにつけてお酒を飲むようになり、泥酔する回数が増え、周囲からお前はアル中だと言われ始め、やっと気づいた。
自我を失いたかったのだ、ということ。

死ぬのは怖い。
痛いのも、苦しいのも嫌。
ただ、現実から、逃げたい。

・・・もちろんファンテーヌはこんなドス暗い女性ではありません。
ただ、社会の荒波に揉まれる私は、どうにも要領が悪く、日々“生きづらさ”を感じていました。
敏感すぎて、目も耳を鼻も、神経をすり減らしてしまう。
身の上話を聞くときも、想像が行き過ぎて涙が出てしまう。
自分の段取りが一つでも狂ってしまうと、お腹の中がグラグラ燃えるような、恐怖と不安が襲ってきて、軌道修正ができなくなってしまう。
みんなが自分の悪口を言っているような気がして、体が固まって身動きがとれなくなってしまう。
それがまた、みんなを苛つかせることはわかっているのに。
一つ何かに夢中になってしまうと、周りが見えなくなって、“それ”しかないような、“それ以外”はまるで悪のような、0か100かしかない、本当に融通のきかない女、それが他でもなくわたくしでございます。




初めてレ・ミゼラブルを見たのは、まだ10代の頃でした。
当時の私には、ファンテーヌは聖母マリア様のような、母としての印象が強く、子のためにここまで自分を犠牲にできるか・・・ととても儚く遠い存在のように思えていましたが、今、私の彼女への印象は大きく違っています。
若く、愚かで、感受性が豊かな、危なっかしい女の子。
人に感情移入しやすくて、思い入れしやすくて、情が深い。
理屈や理論より、気持ちを大切にして、頑固で、融通が利かない・・・あれ、私?

ファンテーヌの人生がおかしな方向へ向かい始めたのは、今の私とそう変わらないほどの年齢。
人より、あからさまに恵まれていない環境、というわけではなかった。
一見、子を身ごもったことがすべての始まりのようにも思えるがそういうわけでもない。
コゼットと二人慎ましい生活ながらも幸せに生き延びるエンディングを想像することは、決して難しくありません。

よりにもよってあのどクズのテナルディエ夫妻にコゼットを預けなければ、

ファンテーヌに読み書きができていれば、また、テナルディエからの手紙を読んだ代書屋が口を滑らせなければ、

ファンテーヌが意固地になってツンケンした態度を取らず、仲間の女工たちとうまくやっていれば・・・

たらればでしかありませんし、これだけは強く言っておきたいのですが「だからファンテーヌは自業自得だ!」というのは絶対に違うと思っています。
悪いのは間違いなく、金を騙しとるテナルディエ夫妻で、未婚の母であることをバラした代書屋で、ファンテーヌをいじめ工場から追い出した他の女工たちです。

ただ、第三者の我々ですら容易に想像できるはずの最悪の結末に、ファンテーヌな不思議なくらいまっすぐ脇目も振らず突き進んでいるのです。
助かるタイミングは何度もあったはずなのに、自らそのフラグを全てへし折っていくファンテーヌ。

火垂るの墓』という超ド級に救いようのない映画はみなさんご存知だと思いますが、ファンテーヌはその主人公の清太と、どこか似ています。
意地っ張りで、頑固で、助かる術を知らない。
子どものころはただの意地悪クソババアに見えた叔母さんも、大人になって見てみると同情の余地もある。
ただあのバアさんはやっぱり、大人としての責任を放棄していますよね。


無知は死に直結していることを、ファンテーヌも清太も、悲しくも教えてくれます。


・・・少し話はそれましたが、物語が与えるものは、読み手が今置かれている環境や年齢によって大きく変わります。
私は、ファンテーヌを初めて見たときより、今の方がずっと魅力的に見えています。
若く美しく、無知で愚かな、悲しいくらい真面目で純粋な女の子。

なぜ、どうして、と彼女に対するもどかしさは、自分に対して返ってくるようになりました。



ファンテーヌは、王子様だと思ったのかもしれない。
わかる。悲しいほどに、わかってしまう。
どうしようもないくらい純粋で、思い込みの激しい、感受性の豊かな女の子。

だから私は思います。
ファンテーヌに、もっと“誰かのせい”にしてほしかった。
自分を追い詰め、責任を感じて「自分一人で何とかしなきゃ」と思う前に、身勝手でも、自己中でも何でもいい。
誰かのせいにする、図々しさがあってほしかった。
皮肉にも、マドレーヌ市長に「あなたのせい」と逆恨みまがいの訴えでコゼットは救われたのが、何よりの証拠だと、思わずにはいられません。

傷付くのが怖くて、何の罪もないのにつらい目に遭っているなんて信じたくなくて、自分に何か悪いところがあったのだと信じたくて、「人を頼ること=迷惑」だと“勝手に”察してしまう。
ファンテーヌがどうだったのかはわかりませんが、また私は勝手に思いを馳せてしまいます。

どうか、待ち続けたあの人のことを責めていてほしい。
テナルディエ夫妻を憎んでいてほしい。
自分を追い出した同僚たちに怒りを感じていてほしい。


最期に貴女を抱きしめたジャンバルジャンの姿に「もう自分を許してやれ」と、そんな気も感じたから。




「夢」なんて、素敵な響きだけれど、“ぬか喜び”と言ってしまえばそれまでです。

「悲しいより、悲しいことってわかりますか?悲しいより悲しいのは、ぬか喜びです。」
スペシャル|TBSテレビ:火曜ドラマ『カルテット』


どうか天国では、もっと自分自身のことを好きでいてほしい。
そう願わずにはいられません。

ミュージカル「レ・ミゼラブル 」/ コゼットとエポニーヌと、ファンテーヌのこと

 

 

思えば、レミのみんなは「狭間」で戦っているのかもしれない。

ジャン・バルジャンは、「信念」と「守るべきもの」の狭間で。

ジャベールは「正義」と「また別の正義」との狭間で。

マリウスは、アンジョルラスとコゼットとの狭間で。

 

随分と間が空いてしまいましたが、今回も、前回同様見た順にトリプルキャストのみなさんについてお話しようと思います。

 

前回の記事(マリウス・アンジョルラス)

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本記事ではコゼットとエポニーヌ、そしてファンテーヌについてです。

あくまでも個人的な感じ方に過ぎませんが、「そういう見え方もあるんだなぁ」くらいの気持ちで、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

 

 

 

 

「狭間」と言いましたが、コゼットとエポニーヌは、基本的にその対象となるものが同じ気がします。

「自分の人生」と、「愛する人」の間なのかなぁと。

 

コゼット

▼小南満佑子さん

すごく賢いコゼットに見えました。

自分の意思がしっかりあるコゼット。

「いつのまにか幸せになっていた」というよりも、自分で幸せを手に入れたコゼットに見える。

そのせいか、バルジャンの最期はまるで本当の父娘を見ているようなリアルさがあります。

ただ何も知らずに身近な人の死に泣く“女の子”ではなく、ちゃんと、父の病床に居合わせた、“娘”です。

それは小南さんが持つ意思の強さみたいなものが、父娘特有のあの空気感を醸し出しているのかなぁなんて思いました。

「パパしっかりして!」と叱る娘と、「はいはい」と困ったように微笑む父親。

すごくリアルな親子像です。

小南さんはタイタニックぶりでしたが、歌もさすがの安定っぷりで、とても「お姉さん」なコゼットでした。

マリウスについて書いたときにも申し上げましたが、原作のマリウス・コゼットって、意外とバルジャンに冷たいので、時折「お前さぁ・・・」という感情を抱いてしまうのですが、小南さんは意思のあるしっかりしたお嬢さんなので、全くそれを感じないですね。

サバサバっとして、自分を持っていて、とても主体的なコゼットです。

 

生田絵梨花さん

きました。

「お前さぁ・・・」と思えるコゼット。

そして、首が長くお顔も小さいので、デコルテがすごく綺麗で、ウェディングドレスが似合う本当に美しいコゼットです。

バルジャンの最期、パパに再会できたのが嬉しくてたまらないという顔が本当に、泣かせます。

ただ、腕に包まれているところは小動物みたいでめちゃくちゃかわいい。

 

コゼットって、変な言い方をすると、基本「何もしない」じゃないですか。

自分から何か行動するところを、描かれていないですよね。

そこと対照的に描かれるのが、ガシガシ主体的に動くエポニーヌであって。

コゼットは、「なんかよくわからないけど、みんなに助けられて幸せになりました〜!」な存在。

でも、本当はそれが、当たり前なんですよ。

それでいいんです。

コゼットは「何もしていない」、何もしていないのに餓死したり虐待を受けたり、そんなことがあっていいはずがないんです。

「愛されるべき存在」であって、生田コゼは、それがすごく表れたコゼットだなぁと思います。


▼熊谷彩春さん

ひたすらにかわいい。

めちゃくちゃかわいい。

でも自分の意思もある。

ちゃんと「いいところのお嬢さん」なのに、全然嫌味っぽくないのは、熊谷さんの持つ天性の空気感からなのでしょうか。

プリュメ街の、顔を手で隠しながら踊る恋する乙女モードが可愛すぎる。

でも不思議と、浮かれポンチではないんですよね・・・

「一時のテンションに身を任せて結婚までしちゃいました〜!」というより、このコゼットなら大丈夫だな、という不思議な安心感がある。

お若いのに、あの包容力は何なんだろう・・・

バルジャンの最期の「パパ」の言い方が、最高に泣けます。

賢さと愛らしさ、いいとこ取りなコゼットな気がしますね。

 

エポニーヌ

唯月ふうかさん

泣かせるエポニーヌ。

一番泣きました。

泣いたように笑うから、切なさが増す。

いじらしくて、健気で、女の子成分多めです。

本当にあの環境で育ってきたのか?と思うくらい、純粋です。

少女漫画的な見方をすると、唯月さんのエポは、どこかコゼットより主人公っぽいですよね。

自分に自信がなくて、恋も人生も諦めていて、好きな人のために一生懸命で・・・見る側の共感を誘うエポニーヌ。

唯月さんご自身が、女優さんとしてすごく「ノッている」時期なんだと、感じました。

私これ、今回同じ感情を伊礼さんに対しても抱いたんですけども・・・なんでしょう、ノッている

役者さんはそういう時期があるんでしょうか。

 

▼屋比久知奈さん

熱い。

自分の境遇を恨んではいても、自分の「生き方」には自信を持っています。

だからこそ、腹が立っている。

途中から、「あ、これ怒ってんだ」と。

少し話は逸れますが、私は熱く「怒る」人が好きです。

熱く怒るというのは別に、怒鳴り散らかしたり感情を露わにしたり、そういうことを言っているわけではなくて、グラグラ沸々と、マグマを腹のなかで燃やしているような人に、すごく魅力を感じるんです。

怒るということは、「諦めていない」ということですからね。

他のお二人と比べると、あまり恋愛に重きを置いていないエポニーヌのように感じました。

それでも彼を庇って死んでしまうんですから、なかなか未来を変えるのは難しいですね・・・


昆夏美さん

安心と信頼の昆さん。

昆さんのエポニーヌは、なんてったってモンパルナスとの絡みが見どころでした。

ポンメルシー・・・

まぁ、私がモンパを好きすぎるってだけなのかもしれませんが、いえ、でもあんなのずるいですよね、好きになっちゃいますよね・・・

すーごいオイシイポジション。

美形のオシャレさん、そして絶妙にクズ。

薔薇をくわえるシーンは、笑うところじゃないんだと思うのですが、私は最高すぎて爆笑です。

ジャンおじさんにお説教されるシーンも見たかったなぁと、思いを馳せてしまいます。

相葉さんは今まで数えきれないくらい薔薇の花を胸に挿してきた、もはや薔薇俳優と言っても過言ではありませんので、モンパルナスも似合いそうですね、なんて、なんてね・・・

 

話を戻しまして、昆さんのエポニーヌは、モンパルナスとの絡みを見ていると、「絶対ソッチの方がいいって」と余計な世話を焼きたくなるくらい、なんだか“お似合い”なんです。

本っ当にいらん世話なんですけれども。

それくらい艶のある、とても色っぽいエポニーヌです。

 

 

それでは最後、ファンテーヌですが、冒頭、レミのみんなは「狭間」で戦っていると申し上げましたが、ファンテは少し違うように感じます。

信念と意地を曲げず、利口に生きられなかった人。

もちろん、それが「悪い」というわけでは決してありません。

きっとみんな、心の奥底ではそう生きたいと思っている。

けれども現実ではそうはいかないので、そうやって生きられる人のことを妬ましく思ってしまうんですよね。

うらやましいんです、本当は。

そんな嫉妬と羨望の対象になる三者三様のファンテーヌです。

 

ファンテーヌ

知念里奈さん

知念ファンテは、世間的に言う「同性に好かれないタイプ」だなぁと思います。

ファンテーヌって、何にも悪いことをしていないですし、悪いのは100%彼女を虐めた人々なんですけれど、「もう少し上手くできたんじゃない?」と思わせる女性じゃないですか。

知念ファンテは、特にそこが顕著な気がします。

もう少し、あともうほんの少しうまく立ち回っていたら、助けてくれた人もいただろうに、と・・・分岐ミスは1つ2つ。

でも、わかるんです。

ファンテの気持ちはものすごく。

わかるからこそ、もどかしくなる。

私自身、自分の融通がきかない性格のせいで人間関係で悩むことがあるので、すごくわかります。

意地を張ること、信念を貫き通すこと、もちろん大事です。

でも、彼女には「守るべきもの」があった。

・・・何が正しいかは、また別の話なんですけどね

しつこいようですが、どんな理由であれ人を虐めていい理由になりませんし、彼女の悲惨な最期を「仕方ない」とは感じてはいけないと思っています。

ただ、自分がファンテにものすごく感情移入してしまう歳になったんだなぁと思いました。


▼二宮愛さん

一番泣くファンテ。

リアル。

すごくリアル。

無知な女性がいとも簡単に転落してしまう様子が、誰にでも起こり得ることなんだと実感させる。

あの転落っぷりに、納得さえしてしまうファンテーヌです。

同じ女として心では納得したくないし、納得してはいけないとも思うのですが、はかったような流れであまりにもとんとん拍子に悪いことが重なる。

分岐を全部ミスってる。

悲しい説得力のあるファンテーヌです。

最期の弱り方もとても怖い。

コゼットの幻覚を見て微笑む姿もゾッッッとするものがあるし、ただ同時に「守ってあげないと」と思わせるので、知念ファンテよりは同性に好かれそうなファンテーヌなのかもしれない。

バルジャンの最後、迎えに来たときの歌声があんまりにも神々しくて、ひっくり返りました。

最期が恐ろしい乱れっぷりだったので、女神様のような美しい姿を見られてめちゃくちゃ泣けましたね。

 

濱田めぐみさん

一応、なんてったって無知で愚かな女性・ファンテーヌなので、分岐はミスしまくるんですけども、そのミスをミスと言わせない強い意志があるファンテーヌ。

悲愴さは、ほとんど感じません。

でも、そこがすごく面白いです。

他2人のファンテは「儚さ」を重視しているのに対して、濱めぐさんはやっぱり「強さ」なんですよ。

開幕前、散々「濱めぐファンテは死なない」と言われ続けてきましたが、どっこい、帝劇ではとても儚いファンテーヌを見事演じ切られましたよね。

もちろん、それもよかったんですけども、私は公演数を重ねるにつれて、「強い」ファンテーヌになった濱めぐファンテが、すごく好きです。

濱めぐさんにしかできない、新しいファンテを確立されたと思います。

 

 

 

えー、長々と語りましたが、なんと、この記事をちんたら書いているうちに、推し様が32歳になりました。

おめでとうございます〜〜〜!!!!🎉🌟

 

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さらに、そうこうしているうちにTDVが幕を開けようとしています。

めちゃくちゃ楽しみです。

 

 

次回の更新はテナルディエ夫妻か、バルジャンか、はたまたジャベールか・・・悩みどころですが、順番的はテナルディエ夫妻ですかね。

TDVの感想を書く前に終わるのかどうか、かなり怪しくなってきましたが、またお付き合いいただけると幸いです。

 

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。

何かございましたら、お気軽に繭 (@maau_AienKien) | Twitterまでお願いいたします。

 

 

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相葉さんの頬っぺたのホクロスキーとしましては、すっぴんがありがたいでございます。

 

 

ミュージカル「レ・ミゼラブル 」/ マリウスとアンジョルラスと、推しのこと

 

 

アンジョルラスは、やっぱり“カリスマ”だ。

 

さて、そこで「2017年の相葉アンジョはカリスマだったか」と問われると、確かに、世間一般で言われるようなカリスマとは少し違ったかもしれません。

典型的なカリスマ像でいうと、間違いなく、上原理生さんのアンジョルラスが頭に浮かびます。

 

カリスマ性のある人って、第三者からすると少し恐ろしく感じること、ないでしょうか。

何の根拠もない個人的な考えで恐縮なんですが、“カリスマ”と言われる人に共通するのは、人間のアドレナリンの分泌を刺激することのできることのような気がしています。

上原さんのアンジョルラスは、まさにそうでした。

三者からすると、少し狂ったように見えるあの空間。

自らの命を投げることも厭わない。

アドレナリンが出ていると傷の痛みを感じないのと同じように。ホッと一息つくとじわじわ痛くなる、アレ。

 

であるとすると、相葉さんのアンジョルラスは、そんなカリスマ的な先導の仕方ではなかった。

あの空間に、狂気も感じなかった。

“若さ”というものの刹那性を体現したような、青く、美しいアンジョルラス。

表情は固く、笑顔もほとんど見せない。

ABCの友は、アンジョルラスという御旗に集まった集団なんだとよくわかります。

 

私は、リーダーには二種類あると思っていて、

一つは、自らガンガン引っ張っていく、それこそカリスマ性のあるワンマンリーダー。

もう一つは、「この人のために動きたい」と思わせる魅力のある、傍をスーパーサブで固めた人たらしのリーダー。

 

相葉アンジョは、後者です。

 

 

 

そんな前置きをした上での、2019年の相葉アンジョ、めちゃくちゃ宗教でした。

 

いや、本当に、狂った集団でした。

 

 

とりあえず語りたいキャストだけ語っていこうと思うのですが、長くなりそうなので、本記事ではマリウスとアンジョルラスのトリプルキャストのみなさんについてお話しようと思います。

演技指導が入ったりするとまたいろいろとアプローチが変わってきますし、ご本人たちも回数を重ねる中でいろいろと感じるところがあるでしょうし、また組み合わせによっても全然見え方が違ってきますし、一概にこう!とは言えないので公演毎にまとめるのが一番なんでしょうが・・・諦めました!!!

それぞれ、自分が見た順番でまとめております。

 

 

 

 

マリウス

▼内藤大希さん

やっぱり私は、内藤マリウスが好きだ。

個人的に、マリウスというキャラクター自体にはあまり魅力を感じないので、演者さんのお陰で好きになるのが、楽しいです。

純粋で、感受性が豊かで、とても感情移入できるマリウス。

コゼットのものだと勘違いして、オッサンのハンカチの匂いを嗅いでいたおまぬけエピソードも頷けます。

海宝マリならそんなバカやらないだろう、と思っていた日が私にもありました。

 

そして、アンジョルラスに心から憧れているのがよくわかる。

「狂いそうだ」とまでコゼットに恋い焦がれ、感情を昂らせていたのにもかかわらず、アンジョルラスにたしなめられるとすぐに「あぁ、そうだった」と顔を引き締め直し、目をキラキラさせながら従います。

それだけに、1幕終わりのワンデイモアの表情を見ると、本当に泣けてきます。

あんなに子犬のように喜び回っていたのに、涙を堪えて列に入りアンジョルラスの横に並ぶマリウスを見て、本当の自分がわからなくなってしまうんじゃないかと心が痛くなるくらい、腹を括った男でした。

個人的に、マリウスの唯一かっこいいシーンは最後の結婚式でテナをぶん殴るところだと思っているのですが、ここは内藤マリが一番好きです。

そのあと「幸せは続くよ」とコゼットを連れていく内藤マリがあんまりにもいい顔をするものだから、「本当にこれが私の知っているあのマリウスなのか・・・?」となる。

内藤さんは、人を惹きつける表情を作るのが本っ当にお上手なんですよ。

お顔の系統でそう見えるのかもしれませんが、すごく上手。

 

相葉さんも、内藤さんと一緒だと「ブチ上がる」とおっしゃっていたように、戦友感がすごくよく伝わってきます。

多くを語らずとも、阿吽の呼吸で進む感じがまさにそうです。

 

 

▼海宝直人さん

ちょっと誰〜??かっこいいマリウスとか言ったの??(私です)

めちゃくちゃ浮かれポンチじゃん。

・・・今更ながら、海宝さんってすごい俳優さんですね。

2017年を観ていてよかったと思いました。

頼もしくて、下手するとアンジョルラスよりリーダーっぽかった海宝マリウスが、あんなに恋に溺れるヘニャヘニャ男になっているとは。

アンジョに制されても、全然上の空だし全然聞いてない。

海宝さんの中で、この二年でマリウスの解釈が変わったんでしょうか。

 

エポニーヌの最期は、内藤マリ同様自分を責めているし、動揺しているのもよくわかるんですが、途中からは彼女の気持ちを尊重し、幸せな気持ちのまま見送ることに専念するのが、あまりにもリアコ製造機でこりゃあ好きになるな、と納得してしまう。

浮かれポンチとは言っても、やっぱり海宝直人ですよね。

とても主人公感の強いマリウスでした。

 

 

三浦宏規さん

2019年の内藤マリ・海宝マリでは感じられなかった、「お前さぁ・・・」という気持ちを感じることのできる、最高にマリウスマリウスしたマリウス。

私があまりにも、内藤マリウスが一個人として、人間として好きすぎるので、三浦さんのマリウスを見て、ハッとしました。

レミが好きならこのマリウスが正解なのではないか、と。

なぜなら、マリウスが好きだと感じたら、それはもうマリウスではないのかもしれないから(哲学)。

私は、内藤さんが演じる“あの男の子”のことが、すごく魅力的だと感じているだけなのかもしれないな、と気付かされました。

 

三浦マリはなんてったって、砦のシーン、エポが死んでからがめちゃくちゃいいんですよ。

不貞腐れ具合が最高にマリウス。

「ほんっとコイツ・・・」って思うのが、すごく気持ちがいいんですよ。

気持ちがいい。

弾を取りに行くくだりなんて、特に相葉アンジョとのタッグだと、余計に世間知らずな夢見る学生たちの集まりって感じで、あ〜これこれ、となる。

 

 

アンジョルラス

▼小野田龍之介さん

「小野田アンジョは青い」という声を聞いていたので、前半はどこが青いんやひたすらにカリスマやないかいと思っていたら、最後、一気に覆されました。

青かった。

めちゃくちゃ青かった。

ただそれは、俳優・小野田龍之介の中で、計算し尽くされた青さで、鳥肌が立ちました。

一幕の絶対的カリスマ安定感と、最期の豹変っぷりの落差に、ボロボロ泣きました。

打たれたガブを抱きとめた後、その震える手を見つめる姿があんまりにも若く、どこにでもいるただの青年で、たまらない気持ちになります。

それでも唇を噛みしめ立ち上がり、旗を振り続けるのがいじらしい。

 

ラマルクの死では、喜んでいるようにさえ見えた。

その姿を見て私は、小野田アンジョも“カリスマ”系のアンジョだと思ったんです。

一歩引いたところから見ると、少し狂気を感じるような集団を作り上げる。

かと思えば、エポニーヌの死では絶望したような顔を見せ、ガブの死でも、ただの一人の青年に戻ってしまう。

親しい人の死にはとても弱く、心温かいアンジョなんだと感じました。

「マリウス、わかるけれど」も「マリウス、少し休め」の声も、とても優しい。

基本的に穏やかで、多少の洒落も受け入れる余裕と度量もある。

すごく作り込まれた、理想のアンジョルラスでした。

2017年の相葉アンジョは初めから革命失敗フラグがビンビンだったのに対し、小野田アンジョはあの頼もしさに成功する希望を垣間見せるからこそ、余計に最期が悲しいんでしょうね。

 

 

上山竜司さん

冗談通じなさそうな、相葉さんとはまた違ったクソ真面目さ。

学級委員と言われれば、確かにそう見えるかもしれないですね。

だからか、相葉アンジョや小野田アンジョの前では子犬のように走り回っていた内藤マリウスが、少し遠慮しているようにも見えます。

私は個人的に、現実世界で関わるとするならば、上山アンジョが上司にほしいですね。

周囲への声かけがすごく上手です。

全員に対して言うというより、「自分に言ってくれたんだ」という気にさせる、個を見てくれるアンジョルラスだと思います。

「マリウス、少し休め」のときも、声をかけられた方のマリウスは比較的余裕が残っているように見えます。

指示も的確だし、部下はすごく動きやすいけれど、トラブルが起きる前に解決しちゃうから下が育たなさそうな上司。

小野田アンジョは客観的に見られるアンジョでしたが、上山アンジョは、だんだんまるで自分もついて行っているような気になってしまうのと、「自由を」の後の「行くぞ!」があんまりにも優しく頼もしすぎて、思わず「アニキ!!一生付いていきます!!!!」と歯をくいしばってしまいます。

これってやっぱり、小野田さんとはまた違うリーダーなんでしょうね。

あくまで「リーダー」であって、「カリスマ」かどうかまた別の話なのかもしれません。

 

 

相葉裕樹さん

「花を撃つようだ」と敵兵でさえ命を奪うことを躊躇わせる、美しいアンジョーラ。

グランテールが焦がれたのは、まさに相葉アンジョでしょう。

相葉アンジョが原作っぽいと言われるのは、きっとあの麗しい見た目だけではなく、“自分は礎となり、自由は未来に託す”感が強いからだと思うのです。

「死のう僕らは!敵など恐れはしない!」からの相葉アンジョは、ビカビカ光を放っていて、ものすごいです。

眩しいです。

終始、革命が成功しないということも薄々わかっているように見えるし、ただあの空間に、“名誉の死”みたいなものに、陶酔しているようにさえ見える。

でも、彼の下なら、死に陶酔して最期を迎えることができる気がします。

 

ただですね、ほんとに、見た目のことは、あまり、言いたく、言いたく・・・な・・・察してください。めちゃくちゃ言いたい

ただ、わかってほしいのは、顔がかっこいい人はたくさんいるじゃないですか。

それこそ芸能人じゃなくても、今時の若い男の子ってみんな小綺麗でかっこいいですしね。

なので、別に目に入ってくる情報だけで「ステキ!」と言いたいわけではなくてですね(言えば言うほど嘘っぽくなりますけども)、舞台上で自分が一番映える立ち振る舞いができるということは、役者として悪いことではないと個人的には思うんですが・・・むしろすごく大切なことなのでは。

どうなんでしょう、難しいですね。

つまり、顔が綺麗でスタイルがいいことと、「美しい」ことは、また別の話なんだと、そう思うのです。

相葉さんは、自分の綺麗な魅せ方をよくご存知でいらっしゃる。

それはものすごい武器だということは、ちゃんと声を大にして伝えたいんですよねぇ。

贔屓目かもしれませんが、背中だけであんなに美しい人、なかなかいないです。

 

話を戻しますが、相葉アンジョは、迷えるアンジョルラスです。

が、その姿は、仲間たちには見せません。

それは、自分が崩れるとみんなも崩れてしまうとわかっているからです。

もちろん、上山アンジョも小野田アンジョも見せないんですけど、それを“観客にも”見せません。

ただ、その根拠というか動機というか、他二人のアンジョとは少し違いますよね。

相葉アンジョは、自分が声をあげることの価値をわかっているというか何というか、全員を納得させるだけの理屈も口達者さも持ち合わせていないけれど、彼の口から出た言葉は正義になるような、そんな“絶対的存在”な気がします。

仲間たちには弱いところを見せませんが、照明が落ちたときや自分が話の中心ではないときなんかは、結構迷っています。

グランの言葉にも、「違う」と言いつつ、本心ではその気持ちもわかっている。

だから、あの長い指でグランの頬を寄せ、訴えるのです。

それは違うと説得できるだけの講釈はないから・・・ただ、彼があの顔で、あの声で、そうだと言ってしまえば、“そう”なんです。

 

そんな彼が「これではいけない」とその迷いを振り払いながら立ち上がる姿を見せるからこそ、観客はそのいじらしさに心打たれる。

上に立つ人って、絶対何か言われるし、嫌われるじゃないですか。

それは、弱さを見せないことが大きく関係していると思うんですよね。

人間って「わからない」ものを恐ろしく感じる生き物です。

相葉さんは自らの演技で「愛されるリーダー」を作り上げたんだなぁと、感動しました。

やっぱり私は、相葉さんの演技が好きです。

エポニーヌの死では、折れそうなる心を奮い立たせているように見えますが、まだそこまで「死」というものを理解してないようにも見えます。

ガブローシュの死でやっと、その手に抱きとめた命の重みを感じ、理解し、死の淵でアドレナリンをバチバチにキメて、「自由を」と叫ぶ相葉アンジョは、あれは確かに冒頭に述べた「カリスマ」でしょう。

あんなん、着いていっちゃいますよ誰でも。

2017年はあんなに大天使様だったのに、血の通った人間、革命家になってるんですもん。

「石像になれ」と言われ続けただけある。

ただ、天使の石像には、感情移入はできない。

 

何かと倒れ方に定評のある相葉さん。

振り返るように身体を捻って砦から落ちる瞬間、とんでもなく美しいから全人類見てほしい。

 

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1:14〜です。

見てって言って見られちゃうんだから、インターネッツってすごい。

 

相葉さんは元々ダンスをされていたので、“タメ”がとてもお上手です。

そのコンマ何秒かのタメが、美しいんです。

単純にリズムにはめるのではなく、ギリギリまでタメることで、あの花が散るような美しさを生みます。


ただ、冗談が通じなさそうな、一人で突っ走りがちの堅物クソ真面目に見えるのは、相葉さんもしや三枚目癖が付いているのでは・・・と思いました。

みんな大好き、相葉アンジョの「マリウス、わかるけれど(わかってない)」。

 

でも、「マリウス、少し休め」はすごくいいんですよ。

言った後の相葉アンジョは、「このくらい言わないとお前は休まないだろ」みたいな顔をしていて、愛ある叱責だなぁと、アンジョルラスらしいなぁと思うのです。

 

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さて、いよいよ大千秋楽。

相葉さんだけでなく、「レミゼ 2019」が幕を下ろします。

 

4月からなので約半年、ですか。

相葉さんの好きなところを再認識する半年間になりました。

トークイベントやファンイベント、ニコ生等で垣間見える相葉さんのあの真面目さ、繊細さに、ときどき私は泣けてくるときがあります。

 

イベントの話はどこまで言おうかいつも迷うのですが、以前、相葉さんが帝国劇場のことを「客席が真っ黒な海のようで吸い込まれそうになる」というように表現しているのを聞いて、胸がきゅっとしたんです。

 

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「30歳までに帝劇に立ちたかった」とおっしゃっていた相葉さん。

その夢が叶った29歳の相葉さんにとって、帝劇はきっとただ手放しに喜んでいられる場所ではなかったんだということがその一言に詰まっていて、なんて美しい言葉を選ぶ人なんだと、愛おしく思います。

 

 

現在、それぞれキャスト別に、感想をまとめている最中です。 

また文章の整理を終え次第更新いたしますので、お付き合いいただけると幸いです。

相葉アンジョについてもまだまだ語り足りませんので、ぽつりぽつりと話し始めるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

 

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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推しさんが演じた「永遠のセンパイ」まとめてみました

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遅ればせながらどころじゃない、無事開幕しましましたね。

私が病んでいるうちに、推し様はしっかり革命していました。

 

暖かい日が続いたかと思えば突然寒くなったりと、寒暖差に振り回されている気がしますが、みなさまお元気でしょうか。

そんな気温の変化もあってか、5月って少し鬱気味になりますよね。

私事ではありますが、4月から環境ががらりと変わりまして、特に連休が明けてからは怒涛の毎日を過ごしております。

 

レミが始まったおかげもあってか、相葉さんのお名前で当ブログにお越しいただいている方が結構いらっしゃるみたいで、これはダイマをしろということだと、本タイトルで記事を書き始めた次第です。

本当はレミゼの記事を書かなければいけないんですが。

 

 

それでは!

本エントリーで3回目となりました、「まとめてみました」シリーズ〜〜〜!!!🎉👏👏

 

コテコテのテニプリ世代の私と同じ時代を生きた方なら、体育の時間にブーメランスネイクを真似した気持ちも、毎週木曜日に朝学校で前日のアニプリについて「不二先輩かっこよかった〜!」とクラスではしゃいだ気持ちも、わかっていただけることだろうと思います。

テニスの王子様という漫画は、それまでの"高貴なお金持ちたちのスポーツ"というテニスのイメージを大きく変え、世の少年たちに「テニスって"かっこいい"スポーツなんだ!」と思わせた、テニスブームの火付け役と言っても過言ではありません。

 

そんな私も、いつの間にか不二先輩より歳上になり、榊太郎(43)を超えてしまう日もそう遠くはないのだと思うと若干鬱になりますが、それでもどういうわけか、彼のことは「先輩」と呼んでしまう。

そんな、"永遠のセンパイ"でお馴染みの、テニスの王子様より、天才・不二周助

テニプリ好きな女子=不二が好き!

だと、どうやら世間では思われているようで・・・ただ、それだけ不二周助というキャラクターは「モテる」「イケメン」などなど、原作を未読の方でも人気があるということだけはわかるという、ポジティブなイメージを持たれているんだろうと、想像できます。

 

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新テニスの王子様 10/許斐 剛 | 集英社コミック公式 S-MANGA

 

テニプリが起こしたテニスブーム真っ只中に不二先輩を演じたのが、相葉さんだったのではないでしょうか。

実写映画もありましたしね。

2005年の山吹公演から出演され、2007年の立海公演で卒業されました。

卒業後の2008年、諸事情でまた不二くんを演じることになるのですが・・・

出演公演回数で言うと、1stの青学レギュラー陣の中では一番多いんですよねぇ。

 

ただ、実を言うと、好きになるまではお顔はそんなに不二先輩に似ていると思わなかったのですが、ちゃんと見るとめちゃくちゃビジュアルも似ていることに驚きました。

微笑みのときより、開眼したときです。

庭球浪漫のカレンダーなんて、完全に相葉さん。

 

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そんな、相葉さんにとって今でも大切な役であろう不二先輩を、演技のアプローチの変化とともに振り返りたいと思います。

今更私なんぞが語るような作品でもありませんし、知識不足で盛大に勘違いをしている解釈もあるかもしれません。

それでも構わないという方はお付き合いいただけると嬉しいです。

 

 

 

 

 

in winter 2004 - 2005 side 山吹 feat. 聖ルドルフ学院 〜はにかみシャイボーイ期〜

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全然目線を上げないのが、可愛くて仕方ありません。

レギュラージャージぶかぶかなの、可愛いがすぎて苦しくなります。

前公演のKIMERU様は不二周助(戦闘力53万)みたいな不二くんだったので、余計に可愛らしく純朴に見えます。

 

推しさんを抜きにすると、ストーリー展開や演出・楽曲は山吹公演が一番好きなので、個人的には一押しです。

遠藤さんは、歴代リョーマくんの中でも一位、二位を争うくらい好きです。

リョーマくんって、基本的には"かわいい"イメージがあると思うんですけども、私がまだリョーマくんより歳下だったとき、やっぱり越前リョーマは"かっこいい"存在でした。

遠藤さんのリョーマくんを見ていると、不思議と当時の気持ちが蘇ってきます。

何でしょう、あの正義のヒーロー感・・・

勇気 VS 意地からの展開、めちゃくちゃアツくて滾ります。

遠藤さんとプライベートでも仲の良い、堀尾役の石橋さん。

「マッチポイントだ!行け越前、あと1ポイントで優勝だ!」リョーマくんに声をかけ、無言で頷くシーン。

二人の関係性を知っていると余計に涙がダバーーーなりますね。

 

推しさんのここが見どころ

山吹戦はダブルスで出場し、あっさり負けてしまうので、見せ場はリョーマくんとの試合です。

「ぜひ、戦ってみたくなったよ」からの相葉さん、すーごい不二先輩です。

「僕に勝つのはまだ早いよ」の台詞も、めちゃくちゃ童心がくすぐられる言い方だと思います。

甲斐田さんの素敵ボイスが頭をチラつきます。

 

 

The Imperial Match 氷帝学園 〜少年らしいやんちゃな思春期〜

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一番くり返し見た作品。

楽曲も、演出も、大大大好きです。

結局全公演こう言ってる気がしてきた。

 

初めて見たときの、あの衝撃は忘れられません。

本っっっ当にびっくりしました。

理想の氷帝が具現化したような、あのビジュアル。

歌にしても、加藤和樹様という圧倒的支柱があるからか、それに引っ張られる形で全員歌える学校でしたね。

 

なんと言っても相葉さん、城田さんと並んだときの身長差・体格差がめちゃくちゃ可愛い。

山吹公演では、城田さんもまだあどけなさが残る佇まいですが(それでも同年代の子と比べると一回りも二回りもがっちりしてる)、氷帝公演ではもうすっかり大人の男性でして・・・青学ナンバー1、2のシンメ感がすごく良いです。

まだ少し俯きがちで、カワイイ。

自信持って!目線上げて!って声をかけたくなってしまいます。

 

推しさんのここが見どころ

やっぱり、トリプルカウンター・白鯨の初お披露目、S2でしょう。

S3で両者棄権した後の「タカさん・・・」でいつも笑ってしまう。

まるで形見のようにラケットを拾い上げるあのシーンだけ見た方は、「タカさん・・・🙏」と変換されることでしょう。

そして本邦初公開、強烈なバックスピンと風によって自分のコートまで戻ってくるというミラクルショット、白鯨。

「さぁ もう一球いこうか・・・風の止まないうちに」の名台詞は、その必殺技をさらに際立ててくれました。

演出もずるいくらいかっこいいです。

個人的には、この試合はジローちゃんのソロあっていいやん・・・と思っていたので、サー氷嬉しかったです。

 

 

The Imperial Match 氷帝学園 in winter 2005 - 2006 〜頼れるお兄さん期〜

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Do your Best!の入りの演出が、再演では少し変わりました。

相葉さんのソロパートも、顎が上がり前を見据えていて、全体的に初演よりみんな台詞に感情がこもっています。

「再演」だということを、きちんと意識した公演です。

 

推しさんのここが見どころ

手塚の横にちょこんと座っていただけのオトコノコが、頼れる青学No.2になりました。

それどころか「さぁ もう一球いこうか・・・風の止まないうちに(暗黒微笑)」なんてサイト全盛期のオタクが発狂しそうな言い回し。

ちょっと、今の相葉さんの片鱗がありますよね。

 

テニミュが誇る名曲『あいつこそがテニスの王子様』では、初演との成長っぷりに驚かされます。

相葉さんに限らず、見比べると本当に面白いので、おすすめです。

「あらゆる人を・・・」からの相葉さんソロタイムは、手塚とワンセットのように寄り添っていた初演とは違い、一人で凛と立つ美しさに思わず見とれてしまいます。

顎をしっかりあげて歌い上げる姿、本当に素敵です。

 

 

Advancement Match 六角 feat. 氷帝学園

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六角公演も、ストーリーや楽曲等、総合的に見るとすごーく好きな公演です。

初代六角も初代氷帝も大好きなので、個人的にはすごいオイシイです。

もともと、ドリライ3rdで相葉さん以外の二代目青学が卒業し、六角公演では相葉さん一人が三代目を引っ張って行く立場になるはずでしたが、急遽ピンチヒッターで鯨井さんが出演されると決まってからの、相葉さんの安心しきったお顔が印象的でした。

やっぱり不安だったんだろうなぁ。

 

推しさんのここが見どころ

六角戦は、不二くんは菊丸英二くんとのダブルスで出場します。

D1は、いっちゃんこと樹希彦くんのシンカーでスマッシュが無効化されてしまうため、不二くんの必殺技・燕返しが生きる試合になるのですが、そのフォームがものっすごい美しいです。

やっぱり三代目を引っ張っていかなければという責任感からか、自信に満ち溢れています。

あのはにかみながら俯いていた少年が・・・ウウッ

 

 

Absolute King 立海 feat.六角〜First Service

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私はどういうわけか、リアルタイムでテニスを読んでいたころの、氷帝学園の記憶があまりなくてですね・・・やっぱり立海の印象が強いんですよね。

恐らく幼心に、切原赤也くんがすっっっごく怖かったんだと思います。

今だと全くそんなことは思わないんですが。

アニメだと、人をボコボコにすることを楽しむ、極悪非道人のように描かれていたので、余計に。

 

推しさんのここが見どころ

不二先輩特有の"儚さ"みたいなものは、一切ありません。

ガシガシ踊るし、ガシガシ歌う。

体型も完全に大人になり、がっちりした肩と長い首の上に、びっくりするほど小さなお顔がちょこんと乗っています。

 

そしてサボテンの日替わり。

相葉さんの不二が「黒い」と言われる所以は、この日替わりのせいなのではないでしょうか。

私は、相葉さんってコメディセンスが抜群にあると思っているんですが、そのセンスを構成しているのが、相葉さん独特の「間」なんですよね。

普通、間って怖いものなので、なるべく間を作らないように喋り倒しちゃうものなんですけど、相葉さんは間を恐れない。

「なんでしょうね〜・・・」とか前置きして、その後に持ってくる言葉のチョイスも秀逸。

 

ともあれ、試合がないので、あまり見せ場がないのが寂しいです。

16歳から出演して、20歳のここにきてやっと、初めてソロ曲をもらったというのも、相葉さんの歌唱力の評価が"ソウイウこと"だったんだろうなぁとお察ししてしまいます。

 

 

Absolute King 立海 feat.六角〜second Service

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すごい。

手塚と不二の電話シーン、テニスオタクとしてもすごく好きなシーンなのですが、南さんと相葉さんだと、全く萌えないの、すごい。

単体で見ると、南さんめちゃくちゃ理想の手塚なんですけど、相葉さんとのバランスが私の思う「手塚と不二」っぽくはないです。

このころ、相葉さんもすっかり男らしくなられて、手塚と不二が並んでいても、体格差はほとんど感じません。

 

推しさんのここが見どころ

「ここからが…俺たち」のダンスが好きすぎて、全景映像を何回見たことが。

不二&切原戦は、原作でも大好きな試合です。

相葉さんもこの試合できて、嬉しかっただろうなぁと思います。

そしてお相手が、大河さんでよかった。

初めて、試合の駆け引きやスリルよりも勝利に固執し、そして何より"チームのために"と言う気持ちを見事勝利へ繋げることができた、不二周助にとって大切な、テニス人生の転機となる試合です。

大河さん演じる切原赤也のボールを頭に喰らい、倒れる相葉さんはほんっとうに美しい。

相葉さんは、倒れる演技をやらせたらピカイチだと思います。

アンジョルラスの最期も、大大大好きです。

体を捻りながら落ちる、アレ。

 

そして何といっても卒業挨拶。

以下、文字起こしです。

 

はい、とうとう、僕ですか。

えー、二代目・三代目、不二周助役、相葉弘樹(裕樹)です。

えーと僕は・・・16歳のときから、のときに、オーディションを受けて、約三年くらいですね、この舞台に、立たさしてもらったんですけど・・・

ほんとにたくさんの思い出ができて・・・で、二代目が、DreamLive3rdで卒業し、僕が、二代目の、想いを引き継ぎ三代目を引っ張っていくという、立場になって・・・

初めはすごく不安で、「相葉できんのか?」みたいな、「相葉に・・・任せて大丈夫かな」みたいな感じのこと言われてたんですけど・・・

今こうして、三代目が卒業する、ってことになって、ほんとに立派な、青学レギュラー陣に、なんか僕が言うのもアレですけどほんとに・・・ね。

僕なんかよりずっとずっと成長しちゃって・・・ね。

嬉しいし・・・悔しいです。

なんでしょうね・・・もうこの、青学レギュラージャージを着て、舞台に立てないってのはほんとに、すごく残念です。

でも、柳下大が、次は僕の、次は、ね・・・任せてるから・・・

僕らの想いを引き継いで、四代目に、伝えてくれると信じてます。

・・・えー、ほんっとに、ほんっっとに寂しいです。

んー・・・次の不二やる人は・・・大変かと思いますが、僕を超えれるように、頑張ってもらいたいですね!

えー・・・へへ、あー・・・やぁー・・・ね、なんだろう、何てまとめようかな。

ほんとにもう、二代目も大好きだし三代目も、大好きですファンのみなさまもスタッフのみなさまも大好きです!

ありがとうございました!

ミュージカル『テニスの王子様』Absolute King 立海 feat.六角 ~ Second Service - MARVELOUS!

 

 

THE・相葉ワールド。

 

二代目の卒業公演で「俺も頑張るから」と、明らかに大丈夫じゃなさそうな顔で言った人とはとても思えない、自信に満ち溢れた華々しい卒業挨拶です。

 

 

Imperial Presence 氷帝 feat.比嘉

 

相葉さんおかえりなさい公演。

手塚役の馬場さんが、これまたすらっとした方なので、ベンチでも隣になるときは若干低く見えるように座る相葉さんが印象的です。

全国氷帝は、いろんなバージョンがありますが、どの跡部様も好きです。

個人的には、1stでは5代目が一番好きな青学なので、5Bは見ていて楽しいですね。

井上さんの「井上正大のこの夏・・・完成だ!」テニミュ史に残る名言だと思います。

 

推しさんのここが見どころ

ガシガシ踊るしガシガシ歌うのに、不思議と儚い不二先輩。

"男感"があまりなく、不二先輩らしい中性的な印象があります。

THE TOPのダンスが好きすぎて、全景ひたすらに見ましたね・・・

試合がないので、やっぱり相葉さんの声量の凄さが炸裂するヘビーレインを見てほしい。

 

ちなみに、ヘビーレイン(仮)を見たいという方はこちら。

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もちろん私は、

戦闘力53万の不二先輩も好きですし、

いつも穏やに微笑む頼れる不二先輩も好きですし、

宝塚男役のように見目麗しい不二先輩も好きですし、

キャラクターのような二次元っぽさがある不二先輩も好きです。

 

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さて、みなさまのお好みの不二先輩はどちらでしょ〜うか、なんて。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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列に入った後は、これまた相葉さんお得意のやつ。

楽しみです、すごく。

パートナーという存在の真髄を見た / ミュージカル「オン・ユア・フィート」

 

えー、改めまして、

あけましておめでとうございます〜〜〜!!!!

 

もう2月になるぞというツッコミ、じゃんじゃん受け付けております。

1月最後の更新は、先日千秋楽を迎えましたオン・ユア・フィートの感想です。

最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

 

<ストーリー>

歌の大好きなグロリアはキューバ移民の両親のもと、マイアミという開放的な場所で暮らしていたが、戦争によって身体が不自由な父親や妹の世話に追われ、歌の才能を発揮できずにいた。ところがある日、祖母の計らいで、地元で名の知れたバンドのプロデューサー、エミリオ・エステファンの前で歌を披露することに。それは輝かしいスターへの階段を駆け上るとともに、栄光と挫折の日々の始まりでもあった――。

シアタークリエ ミュージカル『オン・ユア・フィート!』

 

楽曲ありきのジュークボックス・ミュージカルなので、好みが分かれるかもしれませんが、私は個人的に大大大好きです。

Congaは言うまでもなく有名ですが、とにかくテンション爆上がりする曲ばかり。

気付いたら、幕間にワイン飲んでましたからね。

観客も一緒に歌って踊って、あの瞬間だけはマイアミにいました、私。

 

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曲を聴いていただけると、踊り出してしまうわけがわかると思います。

 

そして、まず私が申し上げたいのは、

エミリオいい男すぎ。

いいヤツすぎ。

以下、エミリオがいかにいい男かを語るだけのマッスィーンになりますので、ご注意ください。

それではいってみましょう!

エミリオのここが素敵!!ドンドンパフパフ〜〜〜🎉👏

 

1.女性が緊張のあまり失敗しても、笑いをとって場を和ます

初めてバンドに参加したグロリア。

緊張のあまり、楽器をどんがらがっしゃんしてしまうのですが、「ハッハッハ!気にしないデ!」と笑い飛ばしてあげるエミリオの度量の大きさ。

それどころか、ジョークで場をあっためてあげるという男っぷり。

 

2.シャイな女性のために味方になり、話しやすい環境を作ってあげる

初ステージで、元々のシャイな性格もあって、「知らない人ばかりで緊張する」と人前で歌うのにためらいのあるグロリアに、「僕はシッテル!」と笑い飛ばしてあげる、さすがの男前。

 

3.怒っているときも、好きな女性の前では努めて冷静に、爽やかな笑顔

自分たちの音楽だけでなく、人種までも否定され爆裂怒りMAXにも関わらず、グロリアには絶対にその顔を見せない。

それでも、ただ優しいだけではない、大切なもののためにちゃんと怒ることのできる熱い男。

 

4.パートナーの異変に気付き、それを面倒くさがらず理由をちゃんと聞いてあげる

歌手の夢を手に入れ、順風満帆に見えるグロリアですが、喧嘩別れした母親のことを想うと元気の出ない彼女。

「なんだよ」と茶化すエミリオに、「何でもない」とグロリアは苦笑しますが、もちろん何でもないわけがないんですよね。

世間では「女性のこういうところが面倒くさい!」と取り上げられがちな場面ですが・・・

そこで「どうしたの?」と聞けるエミリオの人の良さ。

しかもこの人、本当は元気のない理由をわかっていて、敢えて尋ねているんですよ。

ちょっと、できた人すぎやしませんか。

 

5.つらいときや苦しいときも、その姿を絶対に周囲に見せない

グロリアが交通事故に遭い昏睡状態にある中で、悲しみに暮れるエミリオですが、彼女の母に声をかけられると涙を拭いて明るい声で答えます。

リハビリに苦しむグロリアに、「自分の怪我はあなたのせい」だと言われたときも、グロリアの妹レベッカに声をかけられるとまた、涙を拭いて笑顔で答えるのです。

悲しくなるくらいいいヤツ。

泣けてくる。

 

それでも、私が一番エミリオが愛おしくて愛おしくてたまらなくなったシーンは、グロリアの事故直後、病院に駆けつけた彼女の母親に"自分はニュースでグロリア・エステファンが死亡したと聞いた"と責められたとき。

母親とは、事故が起こる前も「娘を奪った」と言われ続け、元々険悪な仲でした。

そんな母親に、「彼女は死なないよ。僕より前には」と真面目な顔で話しますが、すぐにいつもの優しい笑顔で、「来てくれて嬉しいデス!」と告げるあのシーン。

っかぁ〜〜〜〜〜〜!!!!!(訳:勘弁してくれ)

 

涙ダッッッバァーーーです。

これが渡辺大輔さんのなせる技なんですよねぇ・・・

我が家ではどういうわけか、DAISUKE WATANABEの愛称で親しまれる渡辺さん。

人の良さが溢れたあの笑顔が、エミリオの性格をよく表しています。

タイタニックではあまりその歌声をお聴きすることができなかったので、今回じっくり聴くことができてよかったです。

渡辺さんは、普段もすごく褒め上手な方ですよねぇ。

エミリオも、グロリアを褒めて褒めて輝かせる人なので、重なりました。

大坂なおみさんのコーチ、サーシャ・バインさんを彷彿とさせる。

 

個人的には、エミリオが会社のお偉いさんに予算のお伺いをたててもらうよう説得するシーン、アツくてすごく好きです。

取締役会に出席するのは、エミリオじゃあありませんからね。

私が会社員だから思うんでしょうけど、偉い人がここぞというときに本気出すのって、めちゃくちゃかっこいいですよね。

そういうときに「あぁ、だからこの人は出世したんだなぁ・・・」と感じてビリビリしたい。

あくまで私は、ですけど、偉い人は普段忙しそうにせずに踏ん反り返っていてほしいです。

自分の力じゃどうにもならないようなトラブルがあったとき、いつも自席でゆったりしているお偉いさんに、「よくわかった。俺が全部話つけてくる」なんて言われると、すーぐ懐いちゃいます。ちょろい

 

それにしても、グロリアが歌手を目指すことを母親に反対されたときに、おばあちゃんに「ママは上手だった?」と尋ねるシーン、久野さんの「上手…?」から回想への流れはテンション爆上げ案件です。

「上手なんてもんじゃない。あの子は…スターだった!」から人混みをかき分けて登場する一路さん、バチバチかっこいい。

モーセじゃん。

 

お酒飲んで観劇ってずっとやってみたかったんですが、この作品だったからできたんだろうなぁと思います。

タイタニックだったら絶対できなかった。

 

太陽のような笑顔をお持ちの朝夏さん、そして、千秋楽まで見事に完走された渡辺さんに、スタンディングオベーションを贈ります。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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キャストスケジュールを見ながら手帳とにらめっこするのが、今、ただただ、ひたすらに幸せです。

革命起きるぞ〜〜〜!!!!

人間の愚かさと愛しさが共存する空間 / ミュージカル「タイタニック」

 

お久しぶりでございます。

恐れていたとおり、9月末から仕事がめちゃんこ忙しく、なかなかブログが更新できませんでした。

それでも推し事はちゃっかりやっていましたので、やっと感想が書けることが嬉しくて仕方がないです。

 

てなわけで、ちょいと遅くなりましたが、ミュージカル「タイタニック」乗船して参りました!

でもその前に〜・・・

 

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お誕生日おめでとうございます〜!!!!

ドンドンパフパフ〜!!!!👏🎉🍷

 

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えー、こんなにキラッキラした31歳が・・・いるんですねぇ、これが。

 

髪もさっぱりした相葉さん。

本番前にトムにばっさりいかれたらしく、前髪はちょっとガタガタで後ろは刈り上がっているので本人は気にされてましたが、私はこのくらいの方が好きです。

 

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Twitter浮上率が低いことで有名な相葉さんですが、こんな風にツイートするなんて、本当に嬉しかったんだなぁと、じんとした日でした。

 

そんな記念すべき日に初日を迎えたミュージカル「タイタニック」。

思っていた以上に後遺症が激しく、ふと思い返してぶわあああと涙腺が緩むのですが、まだ落ち着くには時間がかかりそうです。

自分でもちょっとびっくりするくらい引きずってます。

 

がっつり舞台の内容に触れますし、いつものよ〜に鬱陶しいほど長文ですので、それでも問題ないという方は、最後までお付き合いいただけると幸いです。

 

 

 

 

本当に、登場人物全員が主人公。

この舞台は、観客ほぼ全員がラストを知っているということがミソですよね。

舞台の途中でも、「いやいやいや気付けし・・・」と思うようなシーンはたくさんあるのですが、それは我々はあの船の結末を知っているから言えることなんだろうなぁ、と。

史実も有名ですし、映画も観たことない人はいないんじゃないかというくらいのお話なので、「タイタニック」と聞けば誰もが"沈没" というワードを連想するじゃないですか。

しかしながら、あの夢のような不思議な空間の中では気付かないような力が、そんな、人々を魔法にかけるような魅力があの船にはあったのかなぁなんて、思いますねぇ。

 

何とも皮肉なのは、責任をとるべき立場であろう上席三人が落ち度を擦りつけ合うのに対し、津田さん演じるマードックが「私の責任です」と自ら命を絶ってしまうこと。

本来なら救命ボートの席を乗客に譲ってもおかしくない立場の石川さん演じるイスメイがボートに乗って生還するのに対し、救命ボートの漕ぎ手として生き残るチャンスだった藤岡さん演じる機関士のバレットが、船を操縦できないフリをして乗客であるジム・ファレルにその席を譲ること。

大人たちが泣き、喚き、死を前にして感情を剥き出しにするのに対し、まだ14歳のベルボーイが最後までハツラツとした笑顔なこと。

 

人間の醜さだったり弱さだったり、嫌だなぁと思う部分が如実に描写された舞台ですが、それと同時に、確かに人間の"良さ"みたいな、「まだまだ捨てたもんじゃないよなぁ」と思わせる場面がたくさん詰まっているんですよねぇ。

人間は確かに失敗する生き物ですが、学習することができます。

失敗を生かして、より良くすることができる。

タイタニック号の事故で亡くなった方たちの名前を背に涙するイスメイを見て、私は確かに、より良い未来を想像して希望のようなものを感じました。

 

 

▷設計士 アンドリュース(加藤和樹さん)

基本的には乗客・乗務員全員が主人公なので、特別出番が多いわけでは無いのですが、最後にはやっぱりタイタニックはアンドリュースの物語だったんだと腑に落ちます。

タイタニックが沈没する瞬間のアンドリュースの姿。

あのシーンだけは毎公演泣いてしまいました。

船が崩壊する中机に向かい、一心不乱に設計の修正を始める彼の姿、最後までタイタニックに乗船し、海に沈む人々を見続けた彼の姿。

そこで、開演前のアンドリュースの姿が走馬灯のように駆け巡るのです。

ペンを回しながら眉をひそめて考え込んだり、紅茶を飲んだり、木内さんと笑顔でおしゃべりしたり、ゆっくりとした空間の中で設計していたあの瞬間は、確かに"幸せ"だった。

もうそこで、涙ダバーーーです。

そういうことかと。

あの演出は、この瞬間のためだったんだと気付いた瞬間に、本当に涙が止まらなくなってしまって、周りの方のことを考えると鼻はすすれないし、いかに涙と鼻水を垂れ流しにできるか、自分との闘いですよね。

そして、終演間近にしてやっっっと、満を持して加藤和樹のソロですよ。

そのときももう涙ダバダバなんですけど、舞台にはなかった話でアンドリュースは浮揚装置用としてデッキチェアを海に投げ込んでいたと。

加藤アンドリュース絶対やってますもんね。

もう簡単に想像できます。

月並みな言葉ですけど、彼が死んでいく瞬間はとにかく"悲しい"です。

本当に、我ながらガキくさい感想だとは思いますが、それに尽きます。

アンドリュースは天国でも、今度は絶対に沈まない船を設計しているのでしょうか。

 

▷オーナー イスメイ(石川禅さん)

鼻持ちならない典型的な「嫌なヤツ」として描かれていますが、最後のあの顔を見てしまうと、なんとも言えない気持ちになりますね。

あの事故が彼だけのせいではないのは確かです。

彼も彼なりの信念があって、意地があって。

それぞれが守りたいものを守ろうとして動いた軌跡が、たまたま最悪の事態に繋がってしまった。

禅さんのイスメイが見られてよかったです。

綜馬さんだと、なんだか言いくるめられちゃいそうですもん。

禅さんの人の良さが滲み出たイスメイは、私はどうしても憎むことができませんでした。

 

▷機関士 バレット(藤岡正明さん)

見た目も振る舞いもワイルドなのに、実はすごくロマンチストで紳士な人。

結婚して・・・ってなる。

藤岡さんはめちゃくちゃ歌がお上手なので、スカーっとしますね。

バレットソングは、足を置く場所がいつも違い、ます、よね?

あのシーンは藤岡さんもすごいんですけど、テーブルの上でガンガン足踏み鳴らされる中、食器を並べていく戸井さんもすごい。

演出とはわかっていても、テーブルに足を置くのってなんだか心がざわざわしちゃいます。

そして、みんな大好きバレットとブライドの癒しタイム。

通信室の柔らかい灯の中での空間は、劇中唯一、あの最悪の結末のことを忘れていられる時間な気がします。

若さには、不思議な輝きがありますよね。

若い男性二人が打ち解け合い、お互いの夢や希望を語らうその光景は、やっぱり美しいです。

イシドールが「若い人を先に」と救命ボートの席を譲ったのも、"そう"なのかなぁ、なんて・・・

しかし藤岡さんって、すっごい主人公顔をお持ちの方ですね。

そしてマリウス顔。

 

▷客室係 エッチス(戸井勝海さん)

普段はキリッとまじめにお客様にお仕えするエッチスが、仕事着のままガラ悪めに煙草を吸う姿・・・惚れちゃうでしょうそんなの。

何と言いますか、煙草吸いながら歩いているのがいいんですよね。

デッキの上で、潮風が煙草の煙をさらっていく光景が見えてくる気がします。

ビーン夫妻に対してはだんだんこんな感じの振る舞いが続いていくので、こっちが素なんですよね、いいですよねギャップおじさん・・・

タイタニックを見ていると、「オジサンカッコイ」しか言えなくなってくる気がします。

バレットが乗客をボートに乗せるために吐いた優しい嘘を見抜いているのも、エッチスさんらしいです。

最後まで客室係として、乗客に一流のサービスを提供し続けたエッチスに、拍手を贈ります。

 

▷二等客 チャールズ・クラーク(相葉裕樹さん)

歌すっっっごいよかった!!!!

菊地さんとの声の相性もばっちり。

チャールズ&キャロラインは、ただの浮かれポンチカップルに見えますが、実はそうではないんですよね。

出航の瞬間、多くの人が希望に満ちた顔をしているのに対し、チャールズは何かを決意したような、すごく深刻な顔をしていて、初めて見たときはびっくりしました。

キャロラインと話していたさっきまではあんな幸せそうだったのに・・・と。

 

「チャールズお願いよ、絶対離れないでね」 

「さぁキャロライン、急がなくては」

 

船から脱出しようとするときも、やっぱりチャールズは「離れない」と約束をしていないので、どこか自分の死を覚悟している。

というか、たとえ自分は死んだとしてもキャロラインは守ろうと決めているんですよね。

チャールズは決してキャロラインの前では弱さを見せない。

子どもみたいに拗ねることはあっても、キャロラインを不安にさせたくないという、男気溢れる人。

そんなの、まんま相葉さんすぎるでしょ・・・

いや、よく考えてみたら、キャロラインのあの天然お嬢様っぷりを見ると、チャールズのことを子どもっぽいなんて言えないですね。

彼は意外と苦労人なんだろうなぁと。

 

愛する者たちが無事船から脱出し、自分たちの死を覚悟した男たちに対し、「皆の衆、きつけに一杯いがかかね?」というチャールズのセリフが、もう大大大好きです。

格差婚にコンプレックス丸出しだった、少し子どもっぽく描かれていたチャールズですが、出航のときのあの表情は、この瞬間のためにあったんだと、彼のかっこよさがすごくよく表れたシーンでした。

船に残された男たちのセンターで、あの天たか〜くよく通る声でキャロラインをまっすぐ見つめながら歌い上げる相葉さん・・・しんどい。涙ダバーーー

あのソロめちゃくちゃおいしいですよね。

でもやっぱり、やっっっぱり、一等客役のときの燕尾服がとにかくかっこいいです(チャールズごめん)。

 

▷一等航海士 マードック津田英佑さん)

今回スタンディングオベーションを贈りたい方の一人です。

英佑さんのおかげで、マードックのことが大好きになりました。

本当に、私はこういう人にめっぽう弱い。

彼のことを想って、帰り道に泣いたくらい好きです。

マードックの手紙は、曲になるくらい有名なお話ですが、勤勉実直、バカがつくほど真面目な彼が、愛おしいです。

だからこそあの最期。

その瞬間の顔はゾッとするほど安らかで、鳥肌が立ちました。

マードックは「女子どもを優先しろ」と命令した船長に対し、「他にいなければ男性も乗ってよい」と柔軟な考えを持った人だったようですが、新しい世代である若いライトーラーと、古い世代の頭の固い船長との間で葛藤に苦しむ姿が痛いほどわかって、つらいんです。

ずっと気になっていたのですが、フリートから氷山の報告を受けての、「ありがとう」というマードックのセリフは、あれは英語の独特な言い回しなんでしょうか。
史実でも、「Thank you」なのは間違いないみたいなんですが、日本語でいう「ありがとう」とは、少しニュアンスが違うんですかね。

英語力の無さを露呈していてお恥ずかしい限りなのですが・・・

私には、「見つけてくれてありがとう」という意味の、マードックだからこそ出てきた言葉だと勝手に解釈してしまったので、わかる方いらっしゃいましたらぜひご教示いただきたいです。

氷山の知らせがあったときも、船長のことは尊敬しているし信じたいけれど、新しい世代が知らせてくれた事実も信じたい気持ちでずーっとせめぎ合っていて、フリートが自分の目で見て確かに氷山がそこにあるということを知らせてくれたからこそ出てきた「ありがとう」だったのかなぁなんて思うともう、涙ダバーーーなんですが。

というか、たまたま船長が休憩中で船の指揮を任されているときにあんなことが起こるなんて、気の毒すぎやしませんかね・・・

真面目で優しい人ほど、そういう星の下に生まれてしまうんですかね。

 

▷三等客 ジム・ファレル(渡辺大輔さん)

ちゃっかり生き残っとるんか〜い!というツッコミは禁句です。

渡辺さんは、給仕係のときのすっ転びシーンが印象的すぎましたね。

渡辺さん、「いい男」という言葉があまりに似合いすぎると思います。

"イケメン"でも"ハンサム"でもなく、「いい男」。

くしゃくしゃにして笑うお顔、ほんっとに人の良さが出ていますよね。

2015年の古川さんとは全然タイプが違うので、古川さんバージョンも見たかったなぁなんて。

漁師という設定は、渡辺さんの方がかーなーり説得力がありますが。

もっと歌が聞きたかったなぁ。

年明けにはラテンでいっぱい聴けるので、楽しみにしておきます。

 

▷通信士 ブライド(上口耕平さん)

癒し。

癒しでしかない。

バレットとブライドのシーンは、正反対の若者だからいいんですよね。

ワイルドで熱いヤンキー兄ちゃんのバレットに対して、ちょっとオタク気質でシャイな真面目くんのブライド。

自分の好きなものの話になると、マシンガンのように早口で語り始めるところ、すごく"っぽい"です。

氷山の警告を無視され続け、自分の仕事の意義を考えてしまっていたであろうブライドは、バレットのおかげで楽しさや、やりがいみたいなものを思い出せたのかなぁなんて思います。

 

▷二等航海士 ライトーラー(小野田龍之介さん)

クルー組はみんな好きですねぇ。

自分の仕事、自分のポジションををきっちりこなす姿は、小野田さん自身にもよく似ている気がします。

だって本当は、もっと歌ってほしいですもん。

彼が上に立っていれば、また未来は変わっていたかもしれないと思える人ですね。

 

バンドマスター ハートリー(木内健人さん)

ウーマンぶりの木内さん。

ハートリーは出番は少ないですが、印象に残る役ですよね。

ダンス曲がすっごく素敵ですが、なんと言っても「秋」。

個人的に、ウーマンロスはまだふとした瞬間に訪れるので、テスにガン切れのエリス、サムをからかうエリスももう一度見たいなぁ、なんて、しみじみしてしまいました。

 

▷ベルボーイ(百名ヒロキさん)

乗客を救命ボートに乗せる任務を無事果たしたとき、船長から歳を聞かれたときの「はい!14歳です!」は反則でしょう。涙ダバーーー

百名さんは毎回Twitterが癒しすぎて、本当に楽しませていただきました。

 

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私は普通に吹いたので、人がいないところでの視聴をお勧めします。

 

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こちらに至っては、後ろに映り込む渡辺さんに爆笑してしまったので、くれぐれも電車の中では視聴なさらないよう。

 

▷見張り役 フリート(吉田広大さん)

氷山を見つけたとき、鐘を三回鳴らすのですが、私が観た回の中で一度、紐がなかなか手に取れずわたわたしているときがあったのですが、それも臨場感があってよかったです。

それだけ緊迫した状況であったということ。

氷山発見の報告に対し、マードックに「ありがとう」と声をかけられたとき、彼は一体どう思ったのか・・・頼む教えてくれ・・・

 

▷二等客 エドガー・ビーン栗原英雄さん)

オジサンカッコイイ(2回目)。

エドガーは、パワフルでちょっとミーハーな奥さんに振り回される少し情けない旦那かと思いきや、とんでもなかったですね。

めちゃくちゃかっこいい。

エドガーはわざと振り回されて"やっている"ことを、アリスもちゃーんとわかっている。

ストラウス夫妻とは、また違ったベクトルで理想の夫婦だなぁと思います。

 

▷二等客 アリス・ビーン霧矢大夢

霧矢さん、お顔がすごくタイプです。

樹里さんと少し似てると思ったんですが、どうでしょう。

エドガーとの最後の言葉、「今までひどいことばかり言ってごめんなさい、愛してる」は、最高の愛の告白だと思います。

あの言葉は喧騒にかき消されがちですし、場面的にも目がいくつあってもたりないようなシーンなので、よく聞き耳を立てておかないと聞こえない台詞でした。

だからこそ価値がある。

若者カップルでもなく熟年夫婦でもない、あの丁度いい二人の関係性が、すっごいアツいんですよね。

 

▷二等客 キャロライン・ネビル(菊地美香さん)

相葉さんのお相手が菊地さんで、本当によかったです。シンケンブルー×デカピンク・・・

菊地さん、めちゃくちゃ歌がお上手なんですね。

見た目も中身もすっごく可愛い方なんですが、声まで可愛くてびっくりしちゃいました。

残されたキャロラインは、あの後どうするんでしょうか。

駆け落ちが失敗し、チャールズが亡くなったことをお父上に告げるのでしょうか。

家に帰ったキャロラインを見て、「ろくでもない」とまで拒否したチャールズのことを、ネビル卿はどう思うのでしょうか。

自分の娘のことを、その命を賭してまで守りぬいた男のことを、認めてくれたらなぁと、願わずにはいられません。

 

▷三等客 ケイト・マクゴーワン(小南満佑子さん)

台詞回しがすごく粋な女の子だと思います。

「あそこにいるいい男いるでしょ、結婚するの!」と周りの女の子に告げ、「素敵!いつ?」と聞かれたときの「知り合えたらすぐにでも!」も、ジムから「寒くないかい?」と聞かれたときの、「平気、抱かれているもの」も、とにかく粋。

変な言い方かもしれませんが、女性はあんまり、こういった言葉選びはしない気がします。

なんだか江戸っ子っぽいです。

 

▷一等客 アイダ・ストラウス(安寿ミラさん)

劇中ずーーーっと上品で素敵な奥様。

船が沈もうとするときでさえも、夫婦二人で最後のときを過ごすときでさえもず終始穏やかで、誰もがこんな女性になりたいと思うような方なんですが、最後いよいよというとき、イシドールにギュッと抱きついた瞬間は小さな女の子のような顔をしているんですよね。涙ダバーーー

たまーに見せる天然お嬢様節も、すごく愛らしい人です。

もちろん、死ぬとわかっていても最後まで愛する人の側にいたいというその気持ちが正しかったのかどうかは、私には判断がつきませんが、彼女が自分で選んだ未来に対して「尊重」はしないといけないと思っています。

チャールズの気持ちを汲んで生き残ったキャロラインだって、彼女が自分で選んだ未来ですし、その選択がいいか悪いかだなんて他人には決められないですしね。

ストラウス夫妻には、天国で幸せな時間を過ごしていてほしいです。

 

▷一等客 イシドール・ストラウス(佐山陽規さん)

実績も知識も経験もある人なのに、新しい時代を受け入れられる柔軟性のある理想のおじさま。

社会的に地位のある方が若者に理解があると、本当に説得力があってかっこいいですよね。

何でも「今時の若者は・・・」と一蹴する人もいる中で、頭でっかちにならず柔らかい考えを持てることは本当にかっこよくて素敵です。

「若い人から」とボートの席を譲り、救命胴衣を譲り、自分の持ち物までも譲り・・・

ストラウス夫妻の、最後のあの穏やかで美しい空間を思い返すと今でも涙が出てきます。

 

▷船長 スミス(鈴木壮麻さん)

かっこいいおじさん二人とプラスかっこいいお兄さんが一人のあの、「諍い」。

三人がそれぞれ自分の言い分や、船が沈む責任は誰にあるのかをぶつけ合う瞬間なんですが、イスメイのターンは「いや人のせいにすんなよ💢」と苛立ち、アンドリュースのターンは「心中お察しします・・・」と彼の心に共感し、船長のターンになると「エッ、アッ、ハイ、ソッスネ!サーセン!」と思わず一礼しそうになるあの綜馬さんの説得力たるや。

イスメイが、禅さんの人の良さが出たイスメイなので、余計にそう思います。

綜馬さんの船長なら、イスメイ黙らせられそうなんですけどね(笑)

お三方の迫力満点の言い合いの後、「私の船だ」と小さく呟く姿は、切なかった。

本当は自分の責任でもあることをわかっているし、それにタイタニックの事故を人のせいにするということは、タイタニック号そのものを手放す"こともを意味していて、あの青い海に浮かぶ素晴らしい船を見たときの感動を、どうしても捨てられないという船長の思いが痛いほど伝わってきたんですよね・・・切ない。

 

 

タイタニックは不思議な舞台でして、"観たい"んですけど、"見たく"ないんですよ。
行く末がわかっているから、幸せそうな彼らの姿を見ると、胸がきゅーーーっとなって、ものすごくつらい。
何というか、またあの惨劇を見ないといけないのか・・・という気分になりますね(笑)
2回目以降は結構くるものがありました。
まぁ、また泣くんですけど。

でも、そんな間違いなく救いようのないお話なんですけども、不思議と後味が悪いんわけではないんですよね。
それは、もしかするとイスメイが生還しているからなのかもしれません。
リプライズでの、タイタニック号を見る人々のあの希望に満ちた顔が忘れられません。

でもチャールズの腕にくっつくキャロラインもいないし、エドガーの隣に立つアリスもいないんですよね・・・(号泣)
青い空と青い海に、真っ白な船がまるでそこにあるようでした。
そんな人々と対照的な、目にいっぱい涙を溜めた、イスメイのあの表情。
背負うことも、また一つの贖罪だなぁと、暗い表情であるにもかかわらず、どこか"希望"のようなものを感じさせることが、彼の存在なんだと思います。

 

 

よし、やっと書けた・・・

自己満でやってるブログですが、やっぱり、特に舞台感想となると体力使いますね。

楽しいからいいんですが、もっとうまくまとめられたらなぁ・・・

長くなりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

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次はラテン。

そろそろ生き残る相葉さんが見たいなぁ、なんて・・・

 

 

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乗りたいけど、乗りたくない。乗れない

2次オタの亡霊が10年越しに成仏した話 / 映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』

 

関西の台風、北海道の地震と、自然災害が続いておりますが、みなさまご無事でしょうか。

まだ断水が続いている地域もあるようですね・・・

少しでも早い復旧を祈っております。

 

一方で、全くの私事ではありますが、ここ最近体調が絶不調でございまして・・・

体調不良のための薬が体に合っていないのか、アレルギー反応で蕁麻疹を引き起こし、またそのアレルギー反応を抑えるための薬を飲まなければならないという、完全なる負のスパイラルにどっぷり浸かっている状態であります。

またその薬が、副作用でとんでもない眠気を催すものでして、一日中死んだように眠ってしまうこともしばしば・・・

大好きなお酒も飲めないので、ストレスの捌け口もありません。

もはや、自分が気の毒すぎて笑けてくるという、無我の境地に到達しております。

 

何がつらいかって、顔にも症状が出てしまったので、顔の下半分お化粧ができずマスク出勤をしていることですね・・・

朝起きて鏡見た瞬間びっくらこきました。

こんな顔で会社行けるわけねぇだろうがと。

ファンデとコンシーラーでいろいろと格闘しましたが、てんで駄目でした。

一応女なので、顔面にこういうことがあるとめちゃくちゃサガりますね〜・・・

 

 

そんなわけで(?)、随分と遅くなってしまいましたが、映画『銀魂2』の感想を認めていきたいと思います。

いろいろな想いが重なりすぎて、校正に時間がかかってしまいました。

相変わらず鬱陶しく語っていますが、最後までお付き合いいただけると幸いです。

 

 

 

一口に言ってしまえば、「中学生の私」が、やっと報われた気がした。

 

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2004年に始まった『SF人情なんちゃって時代劇コメディー』は、「弱肉強食のジャンプでは生き残れないだろう」と編集部や担当さんから思われていたらしく*1、確かに、お世辞にもガツーーーンと派手にスタートダッシュを決めた作品ではなかったように思えます。

同時期に連載を開始したDEATH NOTEと比べると、絵柄はもっさりしているし、話も地味だし、登場する女の子キャラも意地っ張りで頑固で弱みを見せず、世間でおおよそ「可愛い」とされる型には当てはまらない。

そしてなんと言っても、主人公の坂田銀時という男は、少年漫画らしからぬ、基本的に無気力でだらしなく、お酒も嗜むアラサーの適当男。

そんな、少し異質な漫画が、ここまで来られたのはやっぱり、空知英秋先生の為せる技ですね。

 

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2005年、ジャンプフェスタのアニメツアーで、初めて銀魂のキャラクターたちに声が吹き込まれたアニメを、劇場でドキドキしながら見たあの日あの瞬間、今でも覚えています。

私はまだ当時鼻水垂らしたクソガキでしたが、思っていたより銀さんの声が低くてかっこよくて*2、すごくびっくりしましたが、心臓が跳ねるくらい嬉しかった。

 

この度、そんな銀魂が最終回を迎えまして、原作に対する熱い想いを語りたい気持ちもやまやまなのですが、まぁその、なんと言いますか、ある程度予想はしていたんですけれどもあぁいう形に落ち着きましたので・・・今回は、実写映画『銀魂2』の感想をば。

以下、ジャンプ本誌や映画の内容についてがっつりネタバレしていきますので、ご注意くださいませ。

 

 

 

 

 

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GIGAへの移籍は予想できても、まさかここまでは予想できなんだ。

 

今回、銀魂実写映画第二弾!ということで取り上げられた『真選組動乱篇』は、漫画もアニメも、もう台詞やコマを覚えるくらい何度も見た、銀魂の中でも大大大好きな長編シリーズなのですが、一つだけ、自分の中で飲み込めていないことがありました。

 

それは、伊東鴨太郎の「死」でした。

局長暗殺を企てた謀反者には違いなく、紛れも無い「悪」であり、「敵」として描かれたキャラクターなのですが、このおよそ十年間、私は彼の死をずーーーっと、引きずっていたわけであります。

単純に、生きていてほしかったのです。

決して、彼の死に"納得していない"わけではありません。

 

銀魂の世界では、敵だった人物が次の長編では味方になり共闘することが多々ありますが、伊東さんにそれは許されなかった。

それは、伊東さんは、自分の承認欲求を満たすために内乱を起こし、近藤さんを危険な目に遭わせてしまったからです。

これまで味方となった敵キャラたちは、何かを守るために、"たまたま"坂田銀時の敵となってしまった。

「正義の反対は悪ではなく、また別の正義」と言うように、彼らもまた、自分の信念を通そうとした結果だと思います。

しかしここでの伊東さんは「自分の欲しいものを手に入れるため」といった、"別の正義"なんて大義名分も立てられそうもない、紛れもなく"悪"だったわけでございます。

伊東さんのせいで近藤さんが無事ではなかったかもしれないと思うと、決して許される行為ではありません。

確かに、近藤さんがもしここで本当に暗殺されていたら、きっと私の伊東さんに対する気持ちは全く別のものになっていたでしょう。

 

とても強く努力家で、その努力に見合うものも手に入れたはずなのに、それに気付くのが一足遅かった、かわいそうな人。

「誰か僕を見てくれ」「僕はもっとできる」と泣いていた彼は、あまりにかわいそうで、共感せずにはいられませんでした。

ただ、頭ではわかっていても、真選組には今までなかった腹黒インテリキャラの伊東さんが、ほのぼのギャグパートで輝く姿を、見てみたかった。

その後の「バラガキ篇」や「さらば真選組篇」で、どんな風に活躍するのか、見てみたかった。

仲間の大切さに気付いた伊東さんの姿を、もう少しだけ見ていたかったのです*3

 

ここ十年近く期待し続けていたのですが、伊東さんが単行本の表紙になることは、とうとうありませんでしたね。

 

土方さんを演じた柳楽優弥さんと伊東さんを演じた三浦春馬さんの笑顔のツーショットを見て、そして、たくさんの人が三浦さんの演技に涙するのを見て、私の中での伊東さんがやっと天国で笑ってくれたような気がします。

 

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もちろん、土方さんスキーとしては、柳楽さんの「地獄で奴らに笑われねェようにな」も聞きたかったですし、原作の「はい、もしもし土方でござる」で締めくくるラストも粋で、すっっっごくアツいんですが、私は、今回の実写映画はこの終わり方でよかったと思っています。

なぜならこれは、"連載"漫画でもなく、テレビアニメ"シリーズ"でもなく、"連続ドラマでもなく、実写映画『銀魂だからです。

そりゃあもちろん、原作にきっちりかっちり忠実にやってくれることも大変喜ばしいことなのですが、でも、そういうのはもう、ファンの間だけでやっていたらいいじゃあないかと個人的には思います。

うーん、これ、何と表現したらいいのか、難しいですね。

ブログを更新するたびに自らのボキャ貧を晒しているような気がしてやまないのですが、つまり、映画という単発の作品を作り上げるにあたって、ファンしか知らない話の前後関係なく楽しめるものであることが重要なんだと、今回の映画ですーっと腑に落ちるものがあったのです。

せっかく、今まで銀魂という作品に触れることのなかった人の目にも付くような場です。

初めて銀魂を見たという方にも、「そうか、『銀魂』なんてふざけたタイトルの本意は、『銀』の『魂』ということだったのか」と、わかってほしかった。

私が一番形にしてほしかったのは、主人公の坂田『銀』時という男は、めちゃくちゃかっこいいんだぞということだったのです。

 

土方さんがヘタレオタク化してしまうのも、原作では妖刀が原因で、そのタイミングがたまたま真選組内のクーデターと重なってしまったことになっていましたが、映画では「首元にチップが埋め込まれたことが原因」としたことで、伊東さんの策略と綺麗に話が繋がって辻褄が合うようになっていましたし、良い改変だったと思います。

誰も置いてけぼりにしない、大衆向けの綺麗なエンタテインメントにまとまっていて、福田監督って本当にすごい人だったんだと実感させられました。

 

映画後半の、柳楽さんの演技は「圧巻」です。

少しずつヘタレオタクのトッシーから、真選組副長へ、ゆっくりと"自分"を取り戻していくあの長台詞。

アニメの中井さんにも泣かされましたが、実写となるとまた感動がひとしおですね。

土方十四郎という男は、両親、義理のお兄さん、初恋の相手、ライバル・・・と、たくさんの人の死を乗り越えてきた人です。

自分の弱さもひっくるめ、周りの人の死を受け止めながら進んでいく土方さんの強さがよくわかるあの大切なシーンを、大切に演じてくださった柳楽さんにスタンディングオベーションを贈ります。

ぜひ劇場で見ていただきたいシーンの一つですね。

 

しかし、トッシー状態の柳楽さんがニコッとはにかむたびに、映画館内が「おっふ・・・*4するのが面白くて仕方ないです。

すごい、びっくりするくらいわかりやすくおっふ・・・します。

行けばわかります。

 

【9/22追記】

----------------追記ここから----------------

 

伊東さんの登場シーンで、攘夷浪士たちを斬った後に刀についた血を自分のスカーフで拭う演出は三浦さんがご自分で考えられたという神エピソードを書き留めておこうと思っていたのに、すっかり失念しておりました。

天才か、三浦春馬は天才なのか。

 

----------------追記ここまで----------------

 

本当は出演者のみなさん、ほんと、全員すばらしかったので一人一人についても語りたいのですが・・・いかんせん体力がない!!!!

たった一つの記事書き上げるだけでめちゃくちゃ体力使いますね、なんじゃこれ。

長々とお付き合いいただいた割には、果たしてこれは読んでくださった方の身になるような情報だったのだろうか・・・

まとまりのない文章で申し訳ないです。

一人でも多くの方に、「ふーん、そんなに言うなら『銀魂2』観に行ってみよっかな」と思っていただければ幸いです。

 

ただ言えるのは、キャストのみなさんが、この時代、この同じ時代にその年齢で生きてくれていることに、そしてその瞬間に私も立ち会えたことに、深くふかーく感謝しているということであります(重い)

いやでも、一つでも歯車が狂っていたら、この作品は存在していなかったかもしれないですからね。

全ては縁。

「合縁奇縁」ということで、結びの言葉とさせていただきます。

おあとがよろしいようで!

 

映画『銀魂2』はエンタテインメントとして、back numberも真っ青の、「大正解*5」だったと思う。

 

youtu.be

*1:銀魂―ぎんたま― 2/空知 英秋 | 集英社の本 公式

*2:cv.杉田智和の破壊力たるや

*3:第104話 大切なものは見えにくい|あらすじ|アニメ銀魂

*4:

twitter.com

*5:back number - new single「大不正解」