合縁奇縁

根がオタクなんです

私を歩かせているのは誰だろう / 劇団鹿殺しストロングスタイル歌劇「俺の骨をあげる」

 

びっっっっくりするくらい泣いた。

こんな泣く?って思うくらい、まず開始10分で泣いて、後半はほぼずーっと泣いてました。

 

悲しいのにあたたかい。

可笑しいのに切ない。

頭から斧で殴られたようなショックと、お母さんに優しく抱きしめられているような穏やかさが共存している不思議な空間。

こんな、なんとも形容しづらい感情があるんですね。

きっとこれが、"魂が揺さぶられている"ということなんだろうと、貴重な体験でした。

千秋楽も終わったのでいいかなぁとも思うのですが、一応、舞台の内容に触れていますので「DVD買うんじゃ!*1」という方には、もしかすると耳にいれたくない情報もあるかもしれませんので、ご注意ください。

 

 

<ストーリー>

ストロングスタイル歌劇「俺の骨をあげる」』と題された本公演は、1人の女とその骨となって生きた5人の男達の人生を音楽で描き、劇団鹿殺しの代名詞となる”音楽劇スタイル”を確立した代表作『音楽劇「BONE SONGS」』(2013年 上演)を大胆にリメイクしパワーアップさせたもの。骨を形作る男たちをより色濃く描き出すオリジナルストーリーが、強靭な肉体、そして生バンドを迎え、唯一無二のストロングスタイル歌劇としてよみがえる。

劇団鹿殺し本公演『俺の骨をあげる』に相葉裕樹、伊万里有の出演が決定 骨となって生きた5人の男達を描く | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス

 

タイトルやあらすじではあまり想像つかないと思いますが、「俺の骨をあげる」は、売れないプロレスラーの娘・辛島タエが、大切な人たちの死を受け止め前進していく生涯を見届ける舞台です。

鹿殺しさんの舞台はずっと観たいと思っていたので、今回、相葉さんの出演を機に観劇できてすっごく嬉しいです。

鈴木裕樹さんの『おたまじゃくし』を観なかったことは、未だに後悔しています。

 

客演ですし、相葉さんの総出演時間にはそんなに期待していなかったのに・・・なめてた。

そうですよね、鹿殺しさんって、そういう舞台なんですよね。

一人二役、三役四役・・・いいえ、19人で99役をやってのけてしまうくらいですから、相葉さんもそりゃ〜出てくる出てくる。

初めはみんな探り探りだった少し緊張感のある空気が、すこーしずつ"あったまっていく"あの感じ、舞台のいいところですよね。

 

私は、『ラスボス戦で主人公が今まで戦ってきた敵たちが味方となって力を貸してくれる』展開が大大大好きでして。

タエの骨となった男たちはもちろん敵ではありませんが、間違いなくタエの一部となって生きている。

「お母さんのために」とプロレスを始めた一人息子・歩の試合で、亡き父・てんやもんウルフのテーマとともに骨たちを引き連れ登場するタエの姿を思い出すと、今でも泣けます。

母としての姿を見せるタエの演説はお父さんにそっくりで、不器用なところまで似てしまったんだなぁと、やっと母になることができた"小さな女の子"が愛おしく思えました。

 

タエは強い。強いです。

私には、到底できないことです。

「自分」を生きるので精一杯。

誰かの命を背負って、責任のもとに生きるなんて、そんな度量も見聞もありません。

いや、もはや、私は「自分」すらも生きていないのではないか、と不安になることもあるくらいですから。

 

umax0212.hatenablog.com

 

自分としての喜びや悲しみを、受け止められない残念な人間です。

誰かの喜びを必要以上に感じて、誰かの悲しみを必要以上に間に受けて、そうして勝手に潰れていく。

我ながら、無責任な生き方だと思います。

それでも、そんな私でも、無意識とはいえ私の足で、私の人生を生きている。

私の足は、一体誰の骨でできているんだろう、なんて、まだまだ青い私には、答えが出ません。

えー、完全に私事ですが、私は生まれつき左目がほとんど見えないという逆千歳千里女でありまして。

右目は普通に見えるので、日常生活にほとんど支障はないのですが、千歳が右目側のフォアサイドにボールを打たれると返せないという状況は、ものすごくよくわかります。

3歳から牛乳瓶の底のような眼鏡をつけ、手術を行い、左目で見る矯正訓練を泣きながら続けたあの頃を思い出すと、両親はめちゃくちゃ健在なので骨までとは言わずとも、私の目は二人の汗と涙くらいからはできているのかもしれないなぁなんて、思ったりしました。

 

タエの足の骨は、一人息子の歩でした。

そうして歩の骨で、大切な人たちの死を背負いながら「歩」いていこうと決意したタエの背中は、彼女の父・右近と重なって見え、なんてかっこいいんだろうと、この人は絶対に死んではいけないんだと、命の在り方について深く考えさせられる作品でした。

 

元卓球の王子様選手でありタエの夫・秀二

とても人間らしくて、不器用な人。

や〜〜〜っぱり相葉さんがあの長い手足を広げてセンターに登場すると、どうしてあんなに舞台がキラッキラになってしまうんでしょうか。

これ、贔屓目なんですかね。

秀二の初登場シーン、心臓がドドドドドと早鐘を打ち、血と汗まみれだったステージがあっという間にお花畑になってしまったのですが・・・私にだけそう見えているんですかね。

しかしまさか、2018年に相葉さんのヘビーレイン(仮)を聴けるとは思っていませんでした。

10代目不二くんの本家を最近聴いたばかりなので、余計に笑えます*2

これ、初演の姜さんではどういった演出だったんですかね。

テニスのパロディはあったみたいですが、今回は相葉さんだからヘビレだったんだと勝手に思ったので、少し気になりました。

この作品は、妻・タエに共感する人と、夫・秀二に共感する人の真っ二つに分かれると思うのですが、私はどちらかというと秀二に心を寄せてしまうタイプです。

体の弱い歩をおいて、自分の大切なものを成し遂げようとするタエの姿は、きっと世間のお母さんたちには理解できないような行為だと思います。

それでも、タエに嫌悪感を抱かないのは、チョビさんの為せる技なんでしょうか。

秀二は何度も、タエにバンドを辞めて主婦になるよう諭しますが、本当にそれは心から望んでいたのかなぁと。

それは、「父親」の秀二がそうさせたのであって、ただの「秀二」は、心の底ではタエの望みを望んでいたのではないかと。

だって、秀二はそんなタエだからこそ好きになったんですから。

秀二は、タエより少し早く「親」になっていたんだと思います。

もしタエと結婚していなければ、もしタエの初恋の相手が自分の実の兄ではなければ、タエの望みを素直に全力で応援できたのではないかと、想像せずにはいられません。

「いいぞ辛島さん!僕のデータによると、君が武道館に立つ確率、100%だ!!」とか言って。

前回の記事で「おそらく秀二くんは、うざやかおバカナルシストではないとは思いますが」とか言ってたら、当たり前のようにうざやかでびっくりした。

 

 

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長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

最後に、「劇団鹿殺し」というおどろおどろしい劇団名の由来である詩人・村野四郎の「鹿」に想いを馳せながら、エンディングとさせていただきます。

「俺の骨をあげる」を観劇された方は、ぜひ一読していただきたいです。

あの短い文の中に、命の偉大さや美しさが詰まった、短いからこそその刹那を感じるような、そんな詩です。

 

私を歩かせるこの足の骨は誰なのか、いつか答えが見つかるといいな。

 

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次は豪華客船、乗ってきます。

*1:<先行特典付き>劇団鹿殺し ストロングスタイル歌劇「俺の骨をあげる」DVD | 「子鹿商店」劇...

*2:そっちの感想記事も書きたいんですが・・・テニスを記事にするのって、めちゃくちゃ難しいんですね

ミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち- 』〜俺たちは兄弟だ!〜

 

 

 

そういえば、昨年の今頃も"革命"を観ていたような・・・🇳🇱

というわけで、229年前のフランスに想いを馳せながら、熱く美しい革命劇を観てきました。

私が説明するまでもない有名な物語だとは思うのですが、例によって例のごとく、がっつり公演の内容に触れますので、お気をつけください。

 

 

 

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<ストーリー>

民衆は貧困にあえぎ、貴族は贅沢に溺れる18世紀末のフランス―。
農夫ロナンは父を貴族に殺害されたことをきっかけに、
パリへ飛び出し、革命派に身を投じる。
ロベスピエール、ダントン、デムーランら熱き仲間を得て、新しい時代に希望を燃やす。

一方、宮廷に仕える心優しき侍女・オランプは
マリー・アントワネットとフェルゼン伯爵の逢瀬を手引きしてパリにやってくる。
マリー・アントワネットをつけ狙う一味との騒動に巻き込まれたロナンは
オランプと運命の出逢いを果たす。

決して出逢う筈のなかった二人は強く惹かれ合うも、対立する身分が壁となる。
そして、愛に悩む彼らの心を揺さぶるかのように革命の足音が近づいてくる…。

1789年7月14日、バスティーユ牢獄襲撃。
遂に革命の火蓋が切って落とされる―。

www.tohostage.com

 

 

まず初めに、一言言わせてください。

 

渡辺大輔さんが!!よかった!!すごく!!!!!

 

「武器をとれ!」

カミーユ・デムーラン(渡辺大輔さん)

さすがは、最近よく聞く音楽の話になって、「正直に言っちゃうと、ミュージカル楽曲しか聞かない・・・」とおっしゃる渡辺さん。

初演ではいろいろと、悔しい思いをされたみたいで、今回の再演では意気込みというか決意というか、舞台にかける"思い"が痛いほど伝わってきました。

もともと、生まれもった"声"に恵まれている方なので、低く力強い歌声が本当に魅力的です。

 

私が渡辺さんを、いいなぁと思うところの一つ。

「人を褒めるのが上手なところ」です。

誰かを褒めるって、案外難しいものです。
それも同業者で、同世代の同性となると、仲間でもありますがライバルでもある。
悔しさも相まって、褒め言葉を言うにもなかなか素直になれない人が多い中、人の良いところをサッと心から言ってのける、それも人前で言えるあたたかさが、すごく素敵だと思います。

そんな人の良さが滲み出ている渡辺デムーラン。

今回そこに最強の歌声が加わったことで、ただの"いいヤツ"ではない、強い意志を持った革命家らしさが良く出ていて、月並みな言葉になってしまうのですが、すごく感動しました。

 

「自由になったらまた会おう」

▷ロナン・マズリエ(加藤和樹さん)

そして、マタ・ハリは観に行けなかったので、フランケンシュタインぶりの加藤さん。

ロナンという役は、初めて見ると「いや情緒不安定すぎん?」となりがちで、感情移入できない方も多そうなキャラクターですが、加藤さんのロナンはとても説得力のあるロナンです。

特に一幕終わり。

ロベスピエール・ダントン・デムーランの三人を信じたいのに、今までの苦労経験がそれを邪魔してしまうという彼の葛藤は、グッとくるものがあります。

私は大体、ここで既に泣いています。

ああやって強がってはみるものの、本当はとても繊細で純粋な青年なのだと、ロナンの気持ちに納得せざるを得ません。

そして、加藤さんの歌。

ソロももちろん好きなのですが、個人的にはデュエットが大好きなんです。

神がかったハモりセンスを持ってらっしゃる。

相手の気持ちを汲み取って、合わせるのがお上手なのか、はたまた持って生まれた声質が為せる技なのか・・・

レディ・ベスの平野綾さんとのデュエットのときも思いましたが、今回の神田沙也加さんとのデュエットも、すっごく心地良いハーモニーでした。

 

「自由とは、他人を害さないすべてのことをなしうることである」

▷オランプ・デュ・ピュジェ(神田沙也加さん)

加藤さんがとても大きい方なので、華奢で小柄な神田さんだと妹のように見えてしまうのではないかと、加藤ロナンにはねねさんの方が相性がいいのかなぁなんて勝手に思っていましたが、とんでもなかったです。

聡明でドが付くほど真面目ですが、とても不器用でいじらしい女性。

「そんな生き方しかできない」の台詞に、胸を打たれました。

わかる〜〜〜(泣)と思ってしまう。

オランプちゃんは、マルチタスク苦手人間と見たぞ・・・!

見た目も中身もすごく可愛いので、「オランプちゃーん!」となるラマールの気持ちもよくわかります。

 

愛する人の元にお行きなさい」

マリー・アントワネット凰稀かなめさん)

王妃がオランプに、自分か愛する人どちらを選ぶのか問うシーン、号泣ものです。

いつまでも世間知らずの女の子だったアントワネットが、慈悲深い"フランス王妃"へと成長していく、とても人間らしいかなめさんのマリー・アントワネット

お顔がものすごく小さく、すごく可愛らしい方で、元男役には見えません・・・

フェルゼンとのシーンは、本当に乙女モード全開で、アントワネットは子どもがそのまま大人になったような人だなぁと思います。

初演のお花様も観たかったなぁ。

 

「誰のために踊らされているのか?」

▷マキシミリアン・ロベスピエール三浦涼介さん)

三浦さんは、ダンスのような演技をされる方ですよね。

所作の一つ一つ、手の動きなんかが、踊っているみたいにしなやかで、好きです。

初演の古川さんは、冷徹というか、あまり感情を露わにしない、恐怖政治の片鱗を見せるロベスピエールでしたが、三浦さんのロベスピエールは、すごく感情豊かで、"アツい"。

渡辺「最後にロナンが死ぬシーンで、ふたり(ロベスピエールとダントン)の嘆き方がとても大きいんです。でも僕は冷静。...前回はそれが、逆だったじゃない?」

上原「そうだった」

渡辺「デムーランがボロボロ泣いていて、ロベスピエールとダントンに肩を叩いて慰められたりしてた。でも今回はそれが逆になっている、ロベスピエールがボロボロになってるっていうのが、その後の彼らを考えるとゾッとしちゃって」

上原「だからこそ袂を分かつ、みたいな?」

渡辺「うん、(ロナンの死で)ロベスピエールの中で何かが弾けて、そのまま...」

上原「どんどん恐怖政治に向かっちゃう、というね」

【1789特集(7)】革命家トリオ登場! 三浦涼介&上原理生&渡辺大輔が語る『1789 -バスティーユの恋人たち-』 - げきぴあ

 

史実では、ロベスピエールとデムーランは対立してしまいますが、「革命の兄弟」と歌った彼らのことを想うと、切ない気持ちになりますね。

二人とも処刑されてしまいますし・・・

三浦さんのロベスピエールは、迷いというか葛藤というか、一人の人間が壊れていく姿を、表現しているように感じました。

 

「モテない俺に乾杯!」

▷ジョルジュ・ジャック・ダントン(上原理生さん)

とか言って、実のところコイツが一番モテてんだろうな〜〜〜!!!!と思わせてくる上原ダントン。

さすがの歌唱力で、上原さんが出てくると妙な安心感がありますね。

すっかり革命家俳優になられた上原理生さんですが、マイクの入っていないときに、アドリブらしき台詞をよく呟かれて、すごく面白いです。

何ておっしゃっているのかは、いつもよくわからないのですが・・・(笑)

 

「綺麗事だけじゃ生きていけないわ」

▷ソレーヌ・マズリエ(ソニンさん)

圧倒的カリスマ。

何でしょう、あのソニンさんの存在感・・・

ソレーヌ一人で革命成功するんじゃないかと思わせてくれるあのオーラには、鳥肌が立ちます。

強い女性ですが、やはり彼女もロナンと同じく繊細で純粋な人なので、ダントンに出会えてよかったなぁと。

パン屋襲撃を止めに来たダントンに優しく抱かれるソレーヌを見て、そう思いました。

止めてくれてよかったと、ホッとしているような姿がいじらしいです。

 

「私は神だ!」

▷シャルル・アルトワ伯(吉野圭吾さん)

「私は神と同じだ」と歌っていたのが、最終的には「私は生きた神なのだ」と、勝手に神様に昇格してしまうのが面白すぎて、すごく好きです。

アルトワは、敵なんですがちょっと抜けていて、可愛げがある憎めないキャラクターですよね。

地位や権力でしか、愛を手に入れられないと思っている、「そういう生き方しかできない」悲しい人。

好きな子をモノにしようとして思い付いたのが、催眠術と媚薬って・・・こじらせてる〜〜〜!!!!

彼もロナンやオランプと同じく、すごく不器用な人なんだと思います。

その不器用の方向が、すこし違っているだけで・・・

 

「危険分子は連行致しました!」

▷オーギュスト・ラマール(坂元健児さん)

サカケン劇場に迷い込んでしまった・・・

めちゃくちゃ面白いのに、めちゃくちゃ歌上手い。

心配ないさ〜〜〜!!が頭をよぎってしまう・・・

面白いんですが、ただめちゃくちゃやるのではなく、すごく周りの空気を読んで笑いをとる方だと思いました。

なんだかんだでオランプは、ラマールに何度も助けられているのでは。

登場するだけで会場の爆笑をかっさらってしまうサカケンさんに、拍手。

 

「あなたと、あなたの愛する家族を守りたいのです」

▷ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン(広瀬友祐さん)

デカい。

とにかく大きくてかっこよくて、「イケメン」というより「いい男」と言いたくなる広瀬さん演じるフェルゼン伯爵。

あまりのお顔の整い具合とスタイルの良さに、じっとしているとマネキンさんのようです。

史実ではフェルゼン伯爵が国王一家を逃すため尽力するのですが、果たしてその判断が良かったのか悪かったのか・・・

亡命は失敗、民衆の怒りは爆発し、王妃は処刑されてしまいますからね。

そのせいで、伯爵自身も自暴自棄になってしまい、とても悲しい最期を迎えてしまうので・・・

 

「国王陛下の名のもとに」

▷ラザール・ペイロール伯爵(岡幸二郎さん)

ペイロールは、一見堅物クソ真面目な男性に見えますが、アレは変態なんだと思います。

でも岡さんだとかっこいい。

めちゃくちゃいい声。

「サイズ感から個性から、全然違いますからね。ペイロールとしては、小池徹平くんの方が『いたぶってる』感が強い(笑)。加藤くんも言ってましたもん、『なんか小池くん、かわいそうになってきた』って(笑)。私はここで鞭を使うんです。宝塚版でも星条海斗さんが使っていましたけど。最初、小池先生は使わないっておっしゃっていたんですが、鞭職人に自らオーダーなさったんですって。叩いても痛くない鞭で、音も鳴らないはずだったんですけど初日に私がやったらピシッと鳴って。小池先生もお喜びのご様子でした(笑)。

ミュージカル界の濃い貴公子、岡幸二郎が斬新なフレンチ作品で咲かせる悪の華! : 若林ゆり 舞台.com (2) - 映画.com

いや、変態なのは小池先生なのかも・・・

 

まだまだ触れたいことがたくさんあったはずなのですが・・・やっぱりブログ書くのって、すごい体力使いますね。

言ってしまえば自己満みたいなものなので、忘れないうちに書いておこうとは思っているのですが。

 

しかし、加藤和樹さん、渡辺大輔さん、三浦涼介さんのお三方が肩を組み、「俺たちは兄弟だ」と歌い上げる姿には、グッとくるものがある。

それはきっと、今日のミュージカル界を担う次世代の若者たちの姿が、229年前、フランスで自由を求め立ち上がった若者たちと、重なるからなんだと思います。

身分関係なく、全ての人々が地に一直線に並ぶ中、ロナンだけ天にいるあのラストは、涙なしには見られません。

オランプの悲痛な叫び、そして革命家三人の、あの無念の表情が、頭からこびりついて離れない。

 

人はいつの日にか

辿り着くだろう

愛と平和に満ちた

輝く世界

いつの日か*1

 

「自由になったら会おう」と誓ったロナンとオランプ。

切ない約束だと思います。

"自由"とは、"他人を害さないすべてのことをなしうること"。

ロナンはやっと自由になれたんだと思うと、もう泣けてくるったら・・・!!!!

 

そんでもってカーテンコールでは加藤さんが一番最後に出て来るんですから、そりゃあもう、胸熱です。

あぁ、相葉さんの0番も見たい・・・

 

2019年の相葉さんは、革命家になる前にバンドプロデューサーになるみたいです。

 

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ブロードウェイ版のハイライトを見た感じだとがっつりラテンショーな雰囲気で、渡辺さんはめちゃくちゃ「っぽい」んですが、相葉さん、どうでしょうか。

いずれにせよお二人とも楽しみです。

 

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。

ボンニュイ!

ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』 〜私は正しい!完全に正しい!〜

 

2018年、ベリベリハッピーになれる、"ミュージカルオブ・ザ・イヤー"ならぬ、『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』を観てきました。

99.9%笑って、残りの0.1%でちょっぴり泣けるような、そんなハッピーしかないラブコメディ。
誰も不幸にならないし、悪いヤツは一人も出てこない。

 

〜例によって例にごとく、相葉裕樹さんを称賛する会のはじまりはじまり〜

 

<ストーリー>

その年の最も輝いた女性に贈られる賞“ウーマン・オブ・ザ・イヤー”の授賞式を控えた人気ニュースキャスターのテス【早霧せいな】。お互い一目惚れでスピード結婚した風刺漫画作家・サム【相葉裕樹】との新婚生活をスタートさせ、公私共に順風満帆の筈だったが・・・!?バリバリのキャリアウーマン(バリキャリ)道まっしぐらのテスは、何よりも仕事が最優先。気付けばサムとの関係には亀裂が生じ、早くも離婚危機に陥ってしまう。愛するサムの事は大切にしたい、でも今まで築き上げてきたキャリアは絶対的なもの。そんな時、テスが取材をした亡命中の有名バレエダンサー・アレクセイ【宮尾俊太郎】の思いがけない決断が、彼女の心を大きく突き動かす。家庭と仕事、女性の本当の幸せは、果たしてどちらにあるのか?キレっ切れのテス・ハーディングが目指すパーフェクトな人生とは・・・

www.umegei.com

 

私は、HUNTER×HUNTER芸人での宮田さん現象*1を味わった。

 

結婚と仕事の狭間で、主人公・テスが苦しむシーンは、同じ女として見ていてつらいものがあります。

それでも、悩みに悩んで出した結論がテスらしくって明るくて、すごくコミカルな笑えるシーンのはずなのに、急に視界が狭くなっていつの間にか涙が・・・

宮田大明神様!!こういうことですね!!!!

 

わかりやすく悲しいシーンより、"そういうの"に、弱いです。

そういう感動って、そのシーンだけ見てもわからないんですよね。

観客は、早霧せいなさんの演技を通してテス・ハーディングという女性の人生を見てきたから泣けてしまうんだと思います。

時間にして2時間55分・・・たった2時間55分の間に、テスの人生まるっと知ったような気になれる舞台でした。

 

「仕事と私どっちが大事なの?」問題

ウーマン的に言うと、「仕事と僕、どっちが大事なんだよ!cv.相葉裕樹」ですが。

ただ、テスの秘書・ジェラルド役の今井さんもおっしゃっていましたが、この作品は仕事と結婚の両立という特定のテーマだけではなく、もっとふわっとした、「人として」というような、本質的なところを描いているように感じました。

それがサムの最後の台詞、「"テス・ハーディング・クレッグ"を目指してみないか?」に繋がるんじゃあないかと。

男も女も超えた、ただ一人の人間としてどう生きるかを、考えさせられる作品でした。

 

「私は正しい!完全に正しい!」 〜テス・ハーディングの場合〜

やっぱり、清々しいくらいの肯定はスカっとします。

爽快です。

本当にそれだけ努力しているし、実力も伴っているから。

完全に正しい!って、すごいパワーワードだと思います。

しかし早霧さん、宝塚時代は男役だったと感じさせないくらいキュートな女性を演じてらっしゃいました。

テス、すっっっごく可愛いんですよ。

女性の社会進出を取り上げるような作品の主人公なんて、「かっこいい」と思うじゃないですか。

もちろん、かっこいいのは大前提なんですが、何より、可愛い。

何というか、女としてじゃなく、"人として"可愛いんです。

先にも申し上げた通り、仕事と結婚との両立に悩んで、サムとうまくいかなくなってしまうシーンがあるのですが、悩むまではよくある話だと思うんですけど、「悩むくらいならやってみよう!」って結論にたどり着いちゃうのが、テスの素敵なところです。

というか、悩んでいるシーンも全然ジメジメしてない。

悩み方すら清々しい。

ロシアのバレエダンサー・アレクセイ役の宮尾さんとの掛け合いが、最高に笑えます。

違うタイプの天然がぶつかり合って化学反応を起こしてるの、側から見ていてめっちゃ面白い。

でも、テスがアレクセイの決断を聞いてハッとするあのシーン、すごくいいんですよね。

テスのいいところは、自分をしっかり持っているけど、周囲の意見にもちゃあんと耳を傾け受け入れるところです。

それは、自分の未知に触れたとき「なぜ?」「どうして?」の気持ちが前提にあるからなんですよね。

疑問に思うことを忘れてしまうのは、悲しいことなので・・・

"精神的に向上心のないものはばかだ"が頭を過る。

 

「まず行動!それでダメなら仕方ない」というスタンス、すごーくサッパリした男気があっていいですよね。

女らしさの中にキュートさを兼ね揃えているなんとも爽快で魅力的なテスは、「早霧さん、これ地でやってんじゃ・・・?」と感じさせるくらいはまり役でした。

 

オチはいつだって「それが・・・何?」 〜サム・クレッグの場合〜

ウーマンに限ったことではないんですが、相葉さんって、どうして現れるだけで舞台をキラッッッキラしたものにしてしまうのでしょうか。

まだ二人が出会う前、ニュース番組でテスが自分の職業である風刺漫画家を批判するのを聞いてしまって、テンションだだ下がりの仲間たちに「こんなの忘れてみんなで楽しくポーカーしようぜ」と明るく促すけど内心ガン切れなシーン、「っぽいわ〜・・・」って感じです。

そんな激おこシーンの直後、テスに一目惚れする流れは見所ですよね。

早霧さんのコミカルな演技とマッチして、会場の爆笑をかっさらっていました。

 

「僕が望むのは、君の人生に僕の居場所を少しだけ残しておいてくれることなんだよ」

難しい曲が多いと、公演前はおっしゃっていましたが、歌もすっごくよかった。

相葉さんの歌声の好きなところは、変にツヤをつけていないところです。

しゃくりをたくさん入れる歌唱が個人的にあまり好みではないので、相葉さんみたいに、譜面通り真面目〜に歌う方が好きです。

空気をたくさん含んだように聞こえる歌声も、聴いていて心地いいです。

 

「結論から先に決めてしまうことが、お前の癖なのかもな」と、バー・インクポッドの店主・モーリーに言われるシーンがあるのですが、このセリフ、ズシーーーンときました。

どちらかというと私もそのタイプなので・・・

先に結論を決めて、その結論に行き着くためにはどうしたらいいのかとCPUをフル稼動させるのですが、サムももしかしたらそうなのかもしれませんね。

それがいいのか悪いのかはまた別の話ですが。

自身が産み出した漫画のキャラクター・カッツに話しかけるシーン、もう一人の自分と話しているようで、オトコノコだな〜ってキュンとします。

でもあぁやって自分の気持ちを整理するのって、すごく芸術家っぽいです。

そう思えば、すぐ周りが見えなくなるくらい何かに夢中になってしまうところは、実はテスとサムは似た者同士なのかもしれません。

 

そして、本公演の見所の一つと言っても過言ではない、相葉さんと宮尾俊太郎さんのキスシーン。

まさか、初めて生で見る相葉さんのキスシーンが、元宝塚男役のイケメンすぎる女性と、身長180超えの美形男性バレエダンサーとだなんて、思ってもみませんでした。

 

途中から私、宮尾さんが出てくるだけでツボっちゃって大変でした。

顔がいい人がぶっ飛んだことやってると、めちゃくちゃ面白いですよね。

楽屋が同じなので、一緒にいる率が高くて嬉しい。

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あと、今井さんがイケオジすぎて、初めは三枚目な役かと思いきやただのリアコ製造マッスィーンでした。

めちゃんこかっこいいオジサマです。

これから観に行かれる方は、テスがポイズンクッキングをしているときの今井さんをぜひ見ていただきたいです。

超かっこいいので。

 

本当はキャストのみなさん一人一人熱く語りたいくらいなんですが・・・諦めました。

自分がそのとき感じたことを忘れたくないと思って始めたブログですが、記事を書くのってものすごく体力使いますよね。

きっちり観劇レポ書かれている方、本当に尊敬します。

 

帰りの飛行機、2代目のCrystalを聴いていたらなんだかボロボロ泣けてきて、情緒不安定なオタクになってしまった。

今の相葉さんと、全然変わらない少し中性的な顔。

みんな卒業して自分だけ残るのが寂しくて心細くて、大きくて頼もしい城田さんの腕にすっぽりと収まってしまった細っこい体。

子どものような泣き方で、「・・・がんばる」と、どう頑張っていいのかもわからないような不安げな顔で呟いた声。

強がったようなはにかみが、不安でいっぱいだったんだろうな、と何度見てもじんとしてしまいます。

そんな、相葉さんの大好きなところが詰まっているDreamLive3rd。

家に着いたら見返そうかな、なんて、センチメンタルな気持ちになってしまいました。

私は2006年の"相葉くん"には直接会えなかったし、もう会うこともできない。

でも、その10年後、若き革命家を演じる29歳の"相葉さん"に出会うことができたから、こんなに好きになったんじゃないかなぁ、なんて、そう思うのです。

 

血の滲むような努力は

きれいな一筋の汗になる*2

 

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*1:Kis-My-Ft2宮田俊哉さんが、HUNTER×HUNTERの敵キャラであるメルエムの最期のシーンを読んでいたとき、文字が見えづらいと思ったら気付かないうちに涙が出ていたという筋金入りのオタクであることを証明したエピソード

*2:【アルバム】ミュージカル テニスの王子様 Dream Live 3rd | アニメイトオンラインショップ

推しが帝劇俳優になったとき

 

 

 

続投、おめでとうございます。

相葉さんは、あるときからはっきりと自分の役者としての方向性を定めましたよね。
俳優さんとしては、少し遅い方だと思います。
きっと散々迷って、悩んで、たくさんのことを経験した後に、今の自分を掴んだんだと思うと、じんとくるものがあります。
決断した道にファンが付いてくるのかは、また別の話ですしね。

 

しかし、シュガーさんがバルジャンというのも、ものすごくアツい。

そして上原さんが抜けて、アンジョに誰が来るのか、 アンサンブルから一人?それとも若手が・・・?なんてずーっと思っていたのですが、

 

そうきたか〜〜〜!!!!

 

ここでの相葉さんのポジションって、すごーく難しいと思います。

帝劇デビューの昨年とは、また違った評価をされますもんね。

その中で、相葉さんらしい、相葉さんにしかできないアンジョを見るのが今から楽しみです。

若くて美しく、でもどこか余裕がなくて危なっかしいアンジョーラから、カリスマ性溢れる、戦闘力53万の革命家へと、変化していくのでしょうか。

相葉さんは、前者の方が似合う気がするんですがね!(とにかくお顔が、お顔がすばらしい。アンジョルラスは天使と称されるほどの美青年設定なので、顔面偏差値の素晴らしさに圧倒されます

 

しかし、そうなると、上原ジャベ&相葉アンジョも見られるということですよね。

それはかなり胸熱なような・・・

 

私は、相葉アンジョ&内藤マリウス回が好きでした。

やっぱり年齢的に、バランスがいい。

海宝さんは、お顔がとても好きで歌もめちゃくちゃお上手なのですが、コゼットに一目惚れしてお花畑状態なはずのマリウスが普通にかっこよくて王子様で、アンジョルラスの方がもしかすると、現実を見ていなかったのではと思わせてくれるマリウスでした。

その点、内藤さんは最っ高に浮かれポンチ!!(褒めてる)

何度も「お前・・・」ってなる。

だからこそ、お花畑状態のマリウスへ、自分のことより民衆のことだと、再び意識を革命へと向けようと嗜めるアンジョルラスが映えます。

しかして一方のマリウスは、そんなアンジョルラスを見ても、穏やかな表情のまま。

みんなの前に立ち、人々を惹きつけるそのオーラを遺憾無く発揮するアンジョルラスを、内藤マリウスはキラキラした目で見つめているのです。

僕らの大将はやっぱりかっこいい!と、見惚れているのです。(最高か)

 

それはまるで、マリウスにとっての、いや、あの場にいたABCの友、全員にとっての“革命”とは“そういうもの”だったのだと、証明しているような。

(アンジョにとっての“革命”は、少し違うかな)

 

でもそれが、私のマリウスの理想像でした。

相葉アンジョもそうでした。

私が思い描いていたアンジョルラスが、そこにいたんです。

舞台に現れた瞬間、心臓が跳ねたようなあの衝撃は忘れられません。

 

でも、革命に失敗するであろうアンジョルラス。

上原さんは、死なない。

普通にやり遂げそう、歴史ひっくり返しそう。

 

そんな、革命を夢見る若者たちの青さとか、危なっかしさとか、儚さとか。

相葉さんや内藤さんの年代だからこそ、表現することができたのかもしれませんね。

 

 

相葉アンジョと三浦マリウスは、果たして革命に成功するのでしょうか。