合縁奇縁

根がオタクなんです

2次オタの亡霊が10年越しに成仏した話 / 映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』

 

関西の台風、北海道の地震と、自然災害が続いておりますが、みなさまご無事でしょうか。

まだ断水が続いている地域もあるようですね・・・

少しでも早い復旧を祈っております。

 

一方で、全くの私事ではありますが、ここ最近体調が絶不調でございまして・・・

体調不良のための薬が体に合っていないのか、アレルギー反応で蕁麻疹を引き起こし、またそのアレルギー反応を抑えるための薬を飲まなければならないという、完全なる負のスパイラルにどっぷり浸かっている状態であります。

またその薬が、副作用でとんでもない眠気を催すものでして、一日中死んだように眠ってしまうこともしばしば・・・

大好きなお酒も飲めないので、ストレスの捌け口もありません。

もはや、自分が気の毒すぎて笑けてくるという、無我の境地に到達しております。

 

何がつらいかって、顔にも症状が出てしまったので、顔の下半分お化粧ができずマスク出勤をしていることですね・・・

朝起きて鏡見た瞬間びっくらこきました。

こんな顔で会社行けるわけねぇだろうがと。

ファンデとコンシーラーでいろいろと格闘しましたが、てんで駄目でした。

一応女なので、顔面にこういうことがあるとめちゃくちゃサガりますね〜・・・

 

 

そんなわけで(?)、随分と遅くなってしまいましたが、映画『銀魂2』の感想を認めていきたいと思います。

いろいろな想いが重なりすぎて、校正に時間がかかってしまいました。

相変わらず鬱陶しく語っていますが、最後までお付き合いいただけると幸いです。

 

 

 

一口に言ってしまえば、「中学生の私」が、やっと報われた気がした。

 

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2004年に始まった『SF人情なんちゃって時代劇コメディー』は、「弱肉強食のジャンプでは生き残れないだろう」と編集部や担当さんから思われていたらしく*1、確かに、お世辞にもガツーーーンと派手にスタートダッシュを決めた作品ではなかったように思えます。

同時期に連載を開始したDEATH NOTEと比べると、絵柄はもっさりしているし、話も地味だし、登場する女の子キャラも意地っ張りで頑固で弱みを見せず、世間でおおよそ「可愛い」とされる型には当てはまらない。

そしてなんと言っても、主人公の坂田銀時という男は、少年漫画らしからぬ、基本的に無気力でだらしなく、お酒も嗜むアラサーの適当男。

そんな、少し異質な漫画が、ここまで来られたのはやっぱり、空知英秋先生の為せる技ですね。

 

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2005年、ジャンプフェスタのアニメツアーで、初めて銀魂のキャラクターたちに声が吹き込まれたアニメを、劇場でドキドキしながら見たあの日あの瞬間、今でも覚えています。

私はまだ当時鼻水垂らしたクソガキでしたが、思っていたより銀さんの声が低くてかっこよくて*2、すごくびっくりしましたが、心臓が跳ねるくらい嬉しかった。

 

この度、そんな銀魂が最終回を迎えまして、原作に対する熱い想いを語りたい気持ちもやまやまなのですが、まぁその、なんと言いますか、ある程度予想はしていたんですけれどもあぁいう形に落ち着きましたので・・・今回は、実写映画『銀魂2』の感想をば。

以下、ジャンプ本誌や映画の内容についてがっつりネタバレしていきますので、ご注意くださいませ。

 

 

 

 

 

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GIGAへの移籍は予想できても、まさかここまでは予想できなんだ。

 

今回、銀魂実写映画第二弾!ということで取り上げられた『真選組動乱篇』は、漫画もアニメも、もう台詞やコマを覚えるくらい何度も見た、銀魂の中でも大大大好きな長編シリーズなのですが、一つだけ、自分の中で飲み込めていないことがありました。

 

それは、伊東鴨太郎の「死」でした。

局長暗殺を企てた謀反者には違いなく、紛れも無い「悪」であり、「敵」として描かれたキャラクターなのですが、このおよそ十年間、私は彼の死をずーーーっと、引きずっていたわけであります。

単純に、生きていてほしかったのです。

決して、彼の死に"納得していない"わけではありません。

 

銀魂の世界では、敵だった人物が次の長編では味方になり共闘することが多々ありますが、伊東さんにそれは許されなかった。

それは、伊東さんは、自分の承認欲求を満たすために内乱を起こし、近藤さんを危険な目に遭わせてしまったからです。

これまで味方となった敵キャラたちは、何かを守るために、"たまたま"坂田銀時の敵となってしまった。

「正義の反対は悪ではなく、また別の正義」と言うように、彼らもまた、自分の信念を通そうとした結果だと思います。

しかしここでの伊東さんは「自分の欲しいものを手に入れるため」といった、"別の正義"なんて大義名分も立てられそうもない、紛れもなく"悪"だったわけでございます。

伊東さんのせいで近藤さんが無事ではなかったかもしれないと思うと、決して許される行為ではありません。

確かに、近藤さんがもしここで本当に暗殺されていたら、きっと私の伊東さんに対する気持ちは全く別のものになっていたでしょう。

 

とても強く努力家で、その努力に見合うものも手に入れたはずなのに、それに気付くのが一足遅かった、かわいそうな人。

「誰か僕を見てくれ」「僕はもっとできる」と泣いていた彼は、あまりにかわいそうで、共感せずにはいられませんでした。

ただ、頭ではわかっていても、真選組には今までなかった腹黒インテリキャラの伊東さんが、ほのぼのギャグパートで輝く姿を、見てみたかった。

その後の「バラガキ篇」や「さらば真選組篇」で、どんな風に活躍するのか、見てみたかった。

仲間の大切さに気付いた伊東さんの姿を、もう少しだけ見ていたかったのです*3

 

ここ十年近く期待し続けていたのですが、伊東さんが単行本の表紙になることは、とうとうありませんでしたね。

 

土方さんを演じた柳楽優弥さんと伊東さんを演じた三浦春馬さんの笑顔のツーショットを見て、そして、たくさんの人が三浦さんの演技に涙するのを見て、私の中での伊東さんがやっと天国で笑ってくれたような気がします。

 

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もちろん、土方さんスキーとしては、柳楽さんの「地獄で奴らに笑われねェようにな」も聞きたかったですし、原作の「はい、もしもし土方でござる」で締めくくるラストも粋で、すっっっごくアツいんですが、私は、今回の実写映画はこの終わり方でよかったと思っています。

なぜならこれは、"連載"漫画でもなく、テレビアニメ"シリーズ"でもなく、"連続ドラマでもなく、実写映画『銀魂だからです。

そりゃあもちろん、原作にきっちりかっちり忠実にやってくれることも大変喜ばしいことなのですが、でも、そういうのはもう、ファンの間だけでやっていたらいいじゃあないかと個人的には思います。

うーん、これ、何と表現したらいいのか、難しいですね。

ブログを更新するたびに自らのボキャ貧を晒しているような気がしてやまないのですが、つまり、映画という単発の作品を作り上げるにあたって、ファンしか知らない話の前後関係なく楽しめるものであることが重要なんだと、今回の映画ですーっと腑に落ちるものがあったのです。

せっかく、今まで銀魂という作品に触れることのなかった人の目にも付くような場です。

初めて銀魂を見たという方にも、「そうか、『銀魂』なんてふざけたタイトルの本意は、『銀』の『魂』ということだったのか」と、わかってほしかった。

私が一番形にしてほしかったのは、主人公の坂田『銀』時という男は、めちゃくちゃかっこいいんだぞということだったのです。

 

土方さんがヘタレオタク化してしまうのも、原作では妖刀が原因で、そのタイミングがたまたま真選組内のクーデターと重なってしまったことになっていましたが、映画では「首元にチップが埋め込まれたことが原因」としたことで、伊東さんの策略と綺麗に話が繋がって辻褄が合うようになっていましたし、良い改変だったと思います。

誰も置いてけぼりにしない、大衆向けの綺麗なエンタテインメントにまとまっていて、福田監督って本当にすごい人だったんだと実感させられました。

 

映画後半の、柳楽さんの演技は「圧巻」です。

少しずつヘタレオタクのトッシーから、真選組副長へ、ゆっくりと"自分"を取り戻していくあの長台詞。

アニメの中井さんにも泣かされましたが、実写となるとまた感動がひとしおですね。

土方十四郎という男は、両親、義理のお兄さん、初恋の相手、ライバル・・・と、たくさんの人の死を乗り越えてきた人です。

自分の弱さもひっくるめ、周りの人の死を受け止めながら進んでいく土方さんの強さがよくわかるあの大切なシーンを、大切に演じてくださった柳楽さんにスタンディングオベーションを贈ります。

ぜひ劇場で見ていただきたいシーンの一つですね。

 

しかし、トッシー状態の柳楽さんがニコッとはにかむたびに、映画館内が「おっふ・・・*4するのが面白くて仕方ないです。

すごい、びっくりするくらいわかりやすくおっふ・・・します。

行けばわかります。

 

【9/22追記】

----------------追記ここから----------------

 

伊東さんの登場シーンで、攘夷浪士たちを斬った後に刀についた血を自分のスカーフで拭う演出は三浦さんがご自分で考えられたという神エピソードを書き留めておこうと思っていたのに、すっかり失念しておりました。

天才か、三浦春馬は天才なのか。

 

----------------追記ここまで----------------

 

本当は出演者のみなさん、ほんと、全員すばらしかったので一人一人についても語りたいのですが・・・いかんせん体力がない!!!!

たった一つの記事書き上げるだけでめちゃくちゃ体力使いますね、なんじゃこれ。

長々とお付き合いいただいた割には、果たしてこれは読んでくださった方の身になるような情報だったのだろうか・・・

まとまりのない文章で申し訳ないです。

一人でも多くの方に、「ふーん、そんなに言うなら『銀魂2』観に行ってみよっかな」と思っていただければ幸いです。

 

ただ言えるのは、キャストのみなさんが、この時代、この同じ時代にその年齢で生きてくれていることに、そしてその瞬間に私も立ち会えたことに、深くふかーく感謝しているということであります(重い)

いやでも、一つでも歯車が狂っていたら、この作品は存在していなかったかもしれないですからね。

全ては縁。

「合縁奇縁」ということで、結びの言葉とさせていただきます。

おあとがよろしいようで!

 

映画『銀魂2』はエンタテインメントとして、back numberも真っ青の、「大正解*5」だったと思う。

 

youtu.be

*1:銀魂―ぎんたま― 2/空知 英秋 | 集英社の本 公式

*2:cv.杉田智和の破壊力たるや

*3:第104話 大切なものは見えにくい|あらすじ|アニメ銀魂

*4:

twitter.com

*5:back number - new single「大不正解」