合縁奇縁

根がオタクなんです

人間の愚かさと愛しさが共存する空間 / ミュージカル「タイタニック」

 

お久しぶりでございます。

恐れていたとおり、9月末から仕事がめちゃんこ忙しく、なかなかブログが更新できませんでした。

それでも推し事はちゃっかりやっていましたので、やっと感想が書けることが嬉しくて仕方がないです。

 

てなわけで、ちょいと遅くなりましたが、ミュージカル「タイタニック」乗船して参りました!

でもその前に〜・・・

 

twitter.com

 

お誕生日おめでとうございます〜!!!!

ドンドンパフパフ〜!!!!👏🎉🍷

 

twitter.com

 

えー、こんなにキラッキラした31歳が・・・いるんですねぇ、これが。

 

髪もさっぱりした相葉さん。

本番前にトムにばっさりいかれたらしく、前髪はちょっとガタガタで後ろは刈り上がっているので本人は気にされてましたが、私はこのくらいの方が好きです。

 

twitter.com

 

Twitter浮上率が低いことで有名な相葉さんですが、こんな風にツイートするなんて、本当に嬉しかったんだなぁと、じんとした日でした。

 

そんな記念すべき日に初日を迎えたミュージカル「タイタニック」。

思っていた以上に後遺症が激しく、ふと思い返してぶわあああと涙腺が緩むのですが、まだ落ち着くには時間がかかりそうです。

自分でもちょっとびっくりするくらい引きずってます。

 

がっつり舞台の内容に触れますし、いつものよ〜に鬱陶しいほど長文ですので、それでも問題ないという方は、最後までお付き合いいただけると幸いです。

 

 

 

 

本当に、登場人物全員が主人公。

この舞台は、観客ほぼ全員がラストを知っているということがミソですよね。

舞台の途中でも、「いやいやいや気付けし・・・」と思うようなシーンはたくさんあるのですが、それは我々はあの船の結末を知っているから言えることなんだろうなぁ、と。

史実も有名ですし、映画も観たことない人はいないんじゃないかというくらいのお話なので、「タイタニック」と聞けば誰もが"沈没" というワードを連想するじゃないですか。

しかしながら、あの夢のような不思議な空間の中では気付かないような力が、そんな、人々を魔法にかけるような魅力があの船にはあったのかなぁなんて、思いますねぇ。

 

何とも皮肉なのは、責任をとるべき立場であろう上席三人が落ち度を擦りつけ合うのに対し、津田さん演じるマードックが「私の責任です」と自ら命を絶ってしまうこと。

本来なら救命ボートの席を乗客に譲ってもおかしくない立場の石川さん演じるイスメイがボートに乗って生還するのに対し、救命ボートの漕ぎ手として生き残るチャンスだった藤岡さん演じる機関士のバレットが、船を操縦できないフリをして乗客であるジム・ファレルにその席を譲ること。

大人たちが泣き、喚き、死を前にして感情を剥き出しにするのに対し、まだ14歳のベルボーイが最後までハツラツとした笑顔なこと。

 

人間の醜さだったり弱さだったり、嫌だなぁと思う部分が如実に描写された舞台ですが、それと同時に、確かに人間の"良さ"みたいな、「まだまだ捨てたもんじゃないよなぁ」と思わせる場面がたくさん詰まっているんですよねぇ。

人間は確かに失敗する生き物ですが、学習することができます。

失敗を生かして、より良くすることができる。

タイタニック号の事故で亡くなった方たちの名前を背に涙するイスメイを見て、私は確かに、より良い未来を想像して希望のようなものを感じました。

 

 

▷設計士 アンドリュース(加藤和樹さん)

基本的には乗客・乗務員全員が主人公なので、特別出番が多いわけでは無いのですが、最後にはやっぱりタイタニックはアンドリュースの物語だったんだと腑に落ちます。

タイタニックが沈没する瞬間のアンドリュースの姿。

あのシーンだけは毎公演泣いてしまいました。

船が崩壊する中机に向かい、一心不乱に設計の修正を始める彼の姿、最後までタイタニックに乗船し、海に沈む人々を見続けた彼の姿。

そこで、開演前のアンドリュースの姿が走馬灯のように駆け巡るのです。

ペンを回しながら眉をひそめて考え込んだり、紅茶を飲んだり、木内さんと笑顔でおしゃべりしたり、ゆっくりとした空間の中で設計していたあの瞬間は、確かに"幸せ"だった。

もうそこで、涙ダバーーーです。

そういうことかと。

あの演出は、この瞬間のためだったんだと気付いた瞬間に、本当に涙が止まらなくなってしまって、周りの方のことを考えると鼻はすすれないし、いかに涙と鼻水を垂れ流しにできるか、自分との闘いですよね。

そして、終演間近にしてやっっっと、満を持して加藤和樹のソロですよ。

そのときももう涙ダバダバなんですけど、舞台にはなかった話でアンドリュースは浮揚装置用としてデッキチェアを海に投げ込んでいたと。

加藤アンドリュース絶対やってますもんね。

もう簡単に想像できます。

月並みな言葉ですけど、彼が死んでいく瞬間はとにかく"悲しい"です。

本当に、我ながらガキくさい感想だとは思いますが、それに尽きます。

アンドリュースは天国でも、今度は絶対に沈まない船を設計しているのでしょうか。

 

▷オーナー イスメイ(石川禅さん)

鼻持ちならない典型的な「嫌なヤツ」として描かれていますが、最後のあの顔を見てしまうと、なんとも言えない気持ちになりますね。

あの事故が彼だけのせいではないのは確かです。

彼も彼なりの信念があって、意地があって。

それぞれが守りたいものを守ろうとして動いた軌跡が、たまたま最悪の事態に繋がってしまった。

禅さんのイスメイが見られてよかったです。

綜馬さんだと、なんだか言いくるめられちゃいそうですもん。

禅さんの人の良さが滲み出たイスメイは、私はどうしても憎むことができませんでした。

 

▷機関士 バレット(藤岡正明さん)

見た目も振る舞いもワイルドなのに、実はすごくロマンチストで紳士な人。

結婚して・・・ってなる。

藤岡さんはめちゃくちゃ歌がお上手なので、スカーっとしますね。

バレットソングは、足を置く場所がいつも違い、ます、よね?

あのシーンは藤岡さんもすごいんですけど、テーブルの上でガンガン足踏み鳴らされる中、食器を並べていく戸井さんもすごい。

演出とはわかっていても、テーブルに足を置くのってなんだか心がざわざわしちゃいます。

そして、みんな大好きバレットとブライドの癒しタイム。

通信室の柔らかい灯の中での空間は、劇中唯一、あの最悪の結末のことを忘れていられる時間な気がします。

若さには、不思議な輝きがありますよね。

若い男性二人が打ち解け合い、お互いの夢や希望を語らうその光景は、やっぱり美しいです。

イシドールが「若い人を先に」と救命ボートの席を譲ったのも、"そう"なのかなぁ、なんて・・・

しかし藤岡さんって、すっごい主人公顔をお持ちの方ですね。

そしてマリウス顔。

 

▷客室係 エッチス(戸井勝海さん)

普段はキリッとまじめにお客様にお仕えするエッチスが、仕事着のままガラ悪めに煙草を吸う姿・・・惚れちゃうでしょうそんなの。

何と言いますか、煙草吸いながら歩いているのがいいんですよね。

デッキの上で、潮風が煙草の煙をさらっていく光景が見えてくる気がします。

ビーン夫妻に対してはだんだんこんな感じの振る舞いが続いていくので、こっちが素なんですよね、いいですよねギャップおじさん・・・

タイタニックを見ていると、「オジサンカッコイ」しか言えなくなってくる気がします。

バレットが乗客をボートに乗せるために吐いた優しい嘘を見抜いているのも、エッチスさんらしいです。

最後まで客室係として、乗客に一流のサービスを提供し続けたエッチスに、拍手を贈ります。

 

▷二等客 チャールズ・クラーク(相葉裕樹さん)

歌すっっっごいよかった!!!!

菊地さんとの声の相性もばっちり。

チャールズ&キャロラインは、ただの浮かれポンチカップルに見えますが、実はそうではないんですよね。

出航の瞬間、多くの人が希望に満ちた顔をしているのに対し、チャールズは何かを決意したような、すごく深刻な顔をしていて、初めて見たときはびっくりしました。

キャロラインと話していたさっきまではあんな幸せそうだったのに・・・と。

 

「チャールズお願いよ、絶対離れないでね」 

「さぁキャロライン、急がなくては」

 

船から脱出しようとするときも、やっぱりチャールズは「離れない」と約束をしていないので、どこか自分の死を覚悟している。

というか、たとえ自分は死んだとしてもキャロラインは守ろうと決めているんですよね。

チャールズは決してキャロラインの前では弱さを見せない。

子どもみたいに拗ねることはあっても、キャロラインを不安にさせたくないという、男気溢れる人。

そんなの、まんま相葉さんすぎるでしょ・・・

いや、よく考えてみたら、キャロラインのあの天然お嬢様っぷりを見ると、チャールズのことを子どもっぽいなんて言えないですね。

彼は意外と苦労人なんだろうなぁと。

 

愛する者たちが無事船から脱出し、自分たちの死を覚悟した男たちに対し、「皆の衆、きつけに一杯いがかかね?」というチャールズのセリフが、もう大大大好きです。

格差婚にコンプレックス丸出しだった、少し子どもっぽく描かれていたチャールズですが、出航のときのあの表情は、この瞬間のためにあったんだと、彼のかっこよさがすごくよく表れたシーンでした。

船に残された男たちのセンターで、あの天たか〜くよく通る声でキャロラインをまっすぐ見つめながら歌い上げる相葉さん・・・しんどい。涙ダバーーー

あのソロめちゃくちゃおいしいですよね。

でもやっぱり、やっっっぱり、一等客役のときの燕尾服がとにかくかっこいいです(チャールズごめん)。

 

▷一等航海士 マードック津田英佑さん)

今回スタンディングオベーションを贈りたい方の一人です。

英佑さんのおかげで、マードックのことが大好きになりました。

本当に、私はこういう人にめっぽう弱い。

彼のことを想って、帰り道に泣いたくらい好きです。

マードックの手紙は、曲になるくらい有名なお話ですが、勤勉実直、バカがつくほど真面目な彼が、愛おしいです。

だからこそあの最期。

その瞬間の顔はゾッとするほど安らかで、鳥肌が立ちました。

マードックは「女子どもを優先しろ」と命令した船長に対し、「他にいなければ男性も乗ってよい」と柔軟な考えを持った人だったようですが、新しい世代である若いライトーラーと、古い世代の頭の固い船長との間で葛藤に苦しむ姿が痛いほどわかって、つらいんです。

ずっと気になっていたのですが、フリートから氷山の報告を受けての、「ありがとう」というマードックのセリフは、あれは英語の独特な言い回しなんでしょうか。
史実でも、「Thank you」なのは間違いないみたいなんですが、日本語でいう「ありがとう」とは、少しニュアンスが違うんですかね。

英語力の無さを露呈していてお恥ずかしい限りなのですが・・・

私には、「見つけてくれてありがとう」という意味の、マードックだからこそ出てきた言葉だと勝手に解釈してしまったので、わかる方いらっしゃいましたらぜひご教示いただきたいです。

氷山の知らせがあったときも、船長のことは尊敬しているし信じたいけれど、新しい世代が知らせてくれた事実も信じたい気持ちでずーっとせめぎ合っていて、フリートが自分の目で見て確かに氷山がそこにあるということを知らせてくれたからこそ出てきた「ありがとう」だったのかなぁなんて思うともう、涙ダバーーーなんですが。

というか、たまたま船長が休憩中で船の指揮を任されているときにあんなことが起こるなんて、気の毒すぎやしませんかね・・・

真面目で優しい人ほど、そういう星の下に生まれてしまうんですかね。

 

▷三等客 ジム・ファレル(渡辺大輔さん)

ちゃっかり生き残っとるんか〜い!というツッコミは禁句です。

渡辺さんは、給仕係のときのすっ転びシーンが印象的すぎましたね。

渡辺さん、「いい男」という言葉があまりに似合いすぎると思います。

"イケメン"でも"ハンサム"でもなく、「いい男」。

くしゃくしゃにして笑うお顔、ほんっとに人の良さが出ていますよね。

2015年の古川さんとは全然タイプが違うので、古川さんバージョンも見たかったなぁなんて。

漁師という設定は、渡辺さんの方がかーなーり説得力がありますが。

もっと歌が聞きたかったなぁ。

年明けにはラテンでいっぱい聴けるので、楽しみにしておきます。

 

▷通信士 ブライド(上口耕平さん)

癒し。

癒しでしかない。

バレットとブライドのシーンは、正反対の若者だからいいんですよね。

ワイルドで熱いヤンキー兄ちゃんのバレットに対して、ちょっとオタク気質でシャイな真面目くんのブライド。

自分の好きなものの話になると、マシンガンのように早口で語り始めるところ、すごく"っぽい"です。

氷山の警告を無視され続け、自分の仕事の意義を考えてしまっていたであろうブライドは、バレットのおかげで楽しさや、やりがいみたいなものを思い出せたのかなぁなんて思います。

 

▷二等航海士 ライトーラー(小野田龍之介さん)

クルー組はみんな好きですねぇ。

自分の仕事、自分のポジションををきっちりこなす姿は、小野田さん自身にもよく似ている気がします。

だって本当は、もっと歌ってほしいですもん。

彼が上に立っていれば、また未来は変わっていたかもしれないと思える人ですね。

 

バンドマスター ハートリー(木内健人さん)

ウーマンぶりの木内さん。

ハートリーは出番は少ないですが、印象に残る役ですよね。

ダンス曲がすっごく素敵ですが、なんと言っても「秋」。

個人的に、ウーマンロスはまだふとした瞬間に訪れるので、テスにガン切れのエリス、サムをからかうエリスももう一度見たいなぁ、なんて、しみじみしてしまいました。

 

▷ベルボーイ(百名ヒロキさん)

乗客を救命ボートに乗せる任務を無事果たしたとき、船長から歳を聞かれたときの「はい!14歳です!」は反則でしょう。涙ダバーーー

百名さんは毎回Twitterが癒しすぎて、本当に楽しませていただきました。

 

twitter.com

私は普通に吹いたので、人がいないところでの視聴をお勧めします。

 

twitter.com

こちらに至っては、後ろに映り込む渡辺さんに爆笑してしまったので、くれぐれも電車の中では視聴なさらないよう。

 

▷見張り役 フリート(吉田広大さん)

氷山を見つけたとき、鐘を三回鳴らすのですが、私が観た回の中で一度、紐がなかなか手に取れずわたわたしているときがあったのですが、それも臨場感があってよかったです。

それだけ緊迫した状況であったということ。

氷山発見の報告に対し、マードックに「ありがとう」と声をかけられたとき、彼は一体どう思ったのか・・・頼む教えてくれ・・・

 

▷二等客 エドガー・ビーン栗原英雄さん)

オジサンカッコイイ(2回目)。

エドガーは、パワフルでちょっとミーハーな奥さんに振り回される少し情けない旦那かと思いきや、とんでもなかったですね。

めちゃくちゃかっこいい。

エドガーはわざと振り回されて"やっている"ことを、アリスもちゃーんとわかっている。

ストラウス夫妻とは、また違ったベクトルで理想の夫婦だなぁと思います。

 

▷二等客 アリス・ビーン霧矢大夢

霧矢さん、お顔がすごくタイプです。

樹里さんと少し似てると思ったんですが、どうでしょう。

エドガーとの最後の言葉、「今までひどいことばかり言ってごめんなさい、愛してる」は、最高の愛の告白だと思います。

あの言葉は喧騒にかき消されがちですし、場面的にも目がいくつあってもたりないようなシーンなので、よく聞き耳を立てておかないと聞こえない台詞でした。

だからこそ価値がある。

若者カップルでもなく熟年夫婦でもない、あの丁度いい二人の関係性が、すっごいアツいんですよね。

 

▷二等客 キャロライン・ネビル(菊地美香さん)

相葉さんのお相手が菊地さんで、本当によかったです。シンケンブルー×デカピンク・・・

菊地さん、めちゃくちゃ歌がお上手なんですね。

見た目も中身もすっごく可愛い方なんですが、声まで可愛くてびっくりしちゃいました。

残されたキャロラインは、あの後どうするんでしょうか。

駆け落ちが失敗し、チャールズが亡くなったことをお父上に告げるのでしょうか。

家に帰ったキャロラインを見て、「ろくでもない」とまで拒否したチャールズのことを、ネビル卿はどう思うのでしょうか。

自分の娘のことを、その命を賭してまで守りぬいた男のことを、認めてくれたらなぁと、願わずにはいられません。

 

▷三等客 ケイト・マクゴーワン(小南満佑子さん)

台詞回しがすごく粋な女の子だと思います。

「あそこにいるいい男いるでしょ、結婚するの!」と周りの女の子に告げ、「素敵!いつ?」と聞かれたときの「知り合えたらすぐにでも!」も、ジムから「寒くないかい?」と聞かれたときの、「平気、抱かれているもの」も、とにかく粋。

変な言い方かもしれませんが、女性はあんまり、こういった言葉選びはしない気がします。

なんだか江戸っ子っぽいです。

 

▷一等客 アイダ・ストラウス(安寿ミラさん)

劇中ずーーーっと上品で素敵な奥様。

船が沈もうとするときでさえも、夫婦二人で最後のときを過ごすときでさえもず終始穏やかで、誰もがこんな女性になりたいと思うような方なんですが、最後いよいよというとき、イシドールにギュッと抱きついた瞬間は小さな女の子のような顔をしているんですよね。涙ダバーーー

たまーに見せる天然お嬢様節も、すごく愛らしい人です。

もちろん、死ぬとわかっていても最後まで愛する人の側にいたいというその気持ちが正しかったのかどうかは、私には判断がつきませんが、彼女が自分で選んだ未来に対して「尊重」はしないといけないと思っています。

チャールズの気持ちを汲んで生き残ったキャロラインだって、彼女が自分で選んだ未来ですし、その選択がいいか悪いかだなんて他人には決められないですしね。

ストラウス夫妻には、天国で幸せな時間を過ごしていてほしいです。

 

▷一等客 イシドール・ストラウス(佐山陽規さん)

実績も知識も経験もある人なのに、新しい時代を受け入れられる柔軟性のある理想のおじさま。

社会的に地位のある方が若者に理解があると、本当に説得力があってかっこいいですよね。

何でも「今時の若者は・・・」と一蹴する人もいる中で、頭でっかちにならず柔らかい考えを持てることは本当にかっこよくて素敵です。

「若い人から」とボートの席を譲り、救命胴衣を譲り、自分の持ち物までも譲り・・・

ストラウス夫妻の、最後のあの穏やかで美しい空間を思い返すと今でも涙が出てきます。

 

▷船長 スミス(鈴木壮麻さん)

かっこいいおじさん二人とプラスかっこいいお兄さんが一人のあの、「諍い」。

三人がそれぞれ自分の言い分や、船が沈む責任は誰にあるのかをぶつけ合う瞬間なんですが、イスメイのターンは「いや人のせいにすんなよ💢」と苛立ち、アンドリュースのターンは「心中お察しします・・・」と彼の心に共感し、船長のターンになると「エッ、アッ、ハイ、ソッスネ!サーセン!」と思わず一礼しそうになるあの綜馬さんの説得力たるや。

イスメイが、禅さんの人の良さが出たイスメイなので、余計にそう思います。

綜馬さんの船長なら、イスメイ黙らせられそうなんですけどね(笑)

お三方の迫力満点の言い合いの後、「私の船だ」と小さく呟く姿は、切なかった。

本当は自分の責任でもあることをわかっているし、それにタイタニックの事故を人のせいにするということは、タイタニック号そのものを手放す"こともを意味していて、あの青い海に浮かぶ素晴らしい船を見たときの感動を、どうしても捨てられないという船長の思いが痛いほど伝わってきたんですよね・・・切ない。

 

 

タイタニックは不思議な舞台でして、"観たい"んですけど、"見たく"ないんですよ。
行く末がわかっているから、幸せそうな彼らの姿を見ると、胸がきゅーーーっとなって、ものすごくつらい。
何というか、またあの惨劇を見ないといけないのか・・・という気分になりますね(笑)
2回目以降は結構くるものがありました。
まぁ、また泣くんですけど。

でも、そんな間違いなく救いようのないお話なんですけども、不思議と後味が悪いんわけではないんですよね。
それは、もしかするとイスメイが生還しているからなのかもしれません。
リプライズでの、タイタニック号を見る人々のあの希望に満ちた顔が忘れられません。

でもチャールズの腕にくっつくキャロラインもいないし、エドガーの隣に立つアリスもいないんですよね・・・(号泣)
青い空と青い海に、真っ白な船がまるでそこにあるようでした。
そんな人々と対照的な、目にいっぱい涙を溜めた、イスメイのあの表情。
背負うことも、また一つの贖罪だなぁと、暗い表情であるにもかかわらず、どこか"希望"のようなものを感じさせることが、彼の存在なんだと思います。

 

 

よし、やっと書けた・・・

自己満でやってるブログですが、やっぱり、特に舞台感想となると体力使いますね。

楽しいからいいんですが、もっとうまくまとめられたらなぁ・・・

長くなりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

twitter.com

 

twitter.com

 

次はラテン。

そろそろ生き残る相葉さんが見たいなぁ、なんて・・・

 

 

twitter.com

 

乗りたいけど、乗りたくない。乗れない